中国第8回北極科学観測隊の隊員96人は83日間にも及ぶ初の北極事業化調査を完了し、極地観測船「雪竜号」に搭乗して10日、上海の中国極地観測国内基地埠頭に無事帰還した。科技日報が伝えた。
今回の北極科学観測で、観測隊は中国初の北極海一周科学観測を実現した。ベーリング海、チュクチ海、カナダ海盆、北海などの海域で北極航路総合調査、海洋生物多様性、海洋水紋、海洋化学、海洋地質、海洋プラスチックごみなどの汚染物の調査といった総合調査を行い、多くの観測成果を手にした。初めて北極海一周観測を行い、かつ北極でマルチビーム海底地形測量を実施し、中国北極科学観測の新分野を切り拓いた。また、初めて北極中央航路を使い、中国の北極海中心エリアにおける作業の空白を補った。北極北西航路の試験航行に初成功し、今後の北西航路の探査の有益な経験を積み重ねたほか、初めて北極事業化観測任務を遂行し、北極航路環境総合調査、北極生態環境総合調査、北極汚染環境総合調査を展開し、中国のラブラドル海、バフィン湾における調査の空白を補った。さらに、初めて北極と亜北極で海洋プラスチックごみ、マイクロプラスチック、人工放射性元素の観測を行った。
観測隊員を乗せた雪竜号は7月20日に上海を出港し、9月25日にベーリング海で最後の調査を行い帰還した。航行距離は2万590カイリ、海氷域の航行距離は1995カイリで、中国の航海の歴史上、節目となる意義を持つ。