中国の宇宙事業は今年も多くの大事業に取り組む。科技日報が伝えた。
中国航天科技集団が3日に発表した情報によると、同社は今年、長征5号打ち上げや嫦娥4号による月探査、北斗3号衛星ネットワーク形成などの重大任務を実施するとしており、長征ロケットの打ち上げ回数は通年で、過去最多の35回を予定している。
固体燃料ロケット「快舟」なども加えると、中国の今年の打ち上げ回数は40回を突破すると期待されている。
◆長征5号再び
昨年7月、「実践18号」衛星を搭載していた「長征5号遥2」は打ち上げに失敗し、海に墜落した。
一連の検証や試験を経て、長征5号が再び打ち上げに挑戦する。今年、長征5号遥3は「東方紅5号」衛星を搭載し、再び文昌航天発射場から打ち上げられる。
中国で積載能力が最大のロケットである長征5号は、未来の中国の有人宇宙事業、深宇宙探査などの重責を担う。今回の任務に成功すれば、中国は2019年に長征5号Bを打ち上げ、次世代の有人宇宙船試験を展開し、宇宙ステーション中核モジュールを宇宙に送り届ける。さらに長征5号で月探査機「嫦娥5号」を打ち上げ、月でサンプルを収集する。
◆嫦娥4号、月探査の旅
嫦娥3号が2013年に月面ローバー「玉兎号」を搭載し月面着陸し、嫦娥ファミリーの別の一員である嫦娥4号も月探査の旅を始めようとしている。
嫦娥4号は年末、長征3号乙によって打ち上げられ、月の南極付近であるエイトケン盆地に着陸する。これによって月の裏側に初めて軟着陸し、探査を行う宇宙船となる。月面の地形及び地質構造、鉱物の構成と化学成分、月内部の構造、地球・月空間及び月面環境などの探査を実施し、ほぼ十分な月探査技術システムを構築する。
◆北斗グローバル測位システムに進展
中国は昨年11月、北斗3号グローバルネットワーク衛星2基を同時に軌道に乗せ、北斗の世界進出の第一歩を歩みだした。
中国は今年、長征3号乙と遠征上段ロケットによる9回の打ち上げ任務で、北斗衛星を十数基打ち上げる。これにより18基による基本システムを構築し、「一帯一路」(the Belt and Road)関連国にサービスを提供する。
◆「高分」兄弟が相次ぎ打ち上げ
「高分1号」衛星が2013年に打ち上げられてから、中国高分解能地球観測システム重大特別プロジェクト宇宙システムは衛星を4基打ち上げている。これらはスキャンあるいはフォーカス形式で、光学・赤外線・レーダーによる観測手段を採用し、大量の高分解能データを入手し、経済・社会の発展に重要な貢献を成し遂げている。
今年は高分5号、6号が相次いで打ち上げられる計画だ。
◆宇宙から地震を観測する張衡1号
中国地震立体観測システム宇宙観測プラットフォームの初号機「張衡1号」が今年2月、酒泉衛星発射センターから打ち上げられる。これにより中国は宇宙から地震を観測できるようになる。
同衛星は世界初の地震計を作った後漢の天文学者である張衡から命名された、中国が初めて自主開発した電磁環境モニター試験衛星。同衛星は世界の電磁場、電離層などのイオン、高エネルギー粒子の観測データを収集できる。中国及び周辺地域で電離層をリアルタイムで観測し、地震の前兆を追跡することで、地上観測の不足を補う。
中国は今後1年間でさまざまな宇宙船を打ち上げるほか、ロケットの種類も多様化する。長征ロケットによる「ナショナルチーム」の他に、中国航天科工集団が開発する「快舟11号」ロケットも初飛行を控えており、1度にガンマ線探査小型衛星など6基を打ち上げる。商業宇宙市場で頭角を現した「快舟1号」ロケットも、1週間内に連続で4回の打ち上げを行う。リモートセンシング衛星ネットワークのスピーディーな構築を試みると同時に、自身のスピーディーな打ち上げ能力を検証する。
さらに中国初の民間ロケット企業「零壹空間」も、今年上半期に「Xシリーズ」ロケットの初飛行を計画している。