2018年03月01日-03月09日
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中国が5Gで攻勢かけるモバイル・ワールド・コングレス2018

2018年03月02日

 2月26日から3月1日にかけてバルセロナで開かれたモバイル通信関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス2018」 (MWC 2018)において、「5G」は最も頻繁に使われたワードとなった。数年前の同大会ならば5Gのコンセプトとビジョンを展示するだけだったが、今年は5G時代が間近に迫っているという実感を与えた。新華社が伝えた。
 多くの科学技術大手と専門家らは、5G時代の幕が徐々に開けていると判断した。多くの中国企業は今まで以上に世界の新技術の舞台の中央に近づいている。
 開幕2日目、通信業界のリーディングカンパニーであるファーウェイは、アジア・欧州・北米の通信事業者45社と、5Gネットワーク覚書に署名したと発表した。ファーウェイは翌日ドイツテレコムと双方が世界初となる5G高レベルミリ波各エリアネットワーク検証に成功したと発表。ZTEも28日、MTNグループとの事業提携を更に進め、アフリカと中東における5Gの商用化を促進すると発表した。ZTEはさらに、下り速度が1.2Gbpsに達する、「準5G」を体験できるスマホを発表した。
 中国移動(チャイナ・モバイル)研究院の趙小帆エンジニアは、「中国工業情報化部(省)の計画に基づき、中国移動は明確な5Gロードマップを策定している。今年中に全国5都市で100の5G基地局を設置し技術テストを行い、2019年に商用化に向けたテストを行う。2020年に5Gを正式に商用化させることが、当社の目標だ」と話した。
 5Gの商用化は、携帯電話の革命のみに留まらない。中国移動の展示ブースには、複雑な自動ロボットアームが置かれていた。VRグラスを装着すると、ロボットアームの裏側に敷かれる大規模な生産ラインを目にすることができる。
 スイスABBグループ市場担当者は、「これは当社と中国移動及びファーウェイが共同開発した遠隔制御産業ロボットだ。伝統的な自動車生産ラインの場合、ロボットが1台でも故障すればライン全体が稼働停止し、1分の損失は数十万ユーロにのぼる。5G技術の応用後、ロボットにSIMカードを挿し込むだけで、稼動状態をリアルタイムで観察できる。更に最短時間で故障を処理し、生産コストを引き下げることができる」と話した。

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