2018年03月01日-03月09日
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中国製のバイオ医薬品「Trogarzo」が米国で発売開始

2018年03月08日

 薬明生物の無錫生産拠点は7日、喜ばしい情報を発表した。中裕新薬が開発を担当し、薬明生物が生産に協力した新薬「Trogarzo」が7日、米国で正式に発売された。これは米食品医薬品局(FDA)が今年承認した初の革新的バイオ医薬品だ。同プロジェクトは薬明生物にとって初の商業化生産プロジェクトであり、同社はこれによりFDA GMP認証に合格した数少ないバイオ医薬品協力・研究開発・生産サービス業者(CDMO)になった。科技日報が伝えた。
 記者の調べによると、「Trogarzo」は初めて中国で生産され、米FDAの承認を経て米国の臨床実験において許可を得た無菌バイオ製剤だ。「ウイルス侵入抑制剤」である「ibalizumab」は、T細胞表面のHIVウイルスの主要受容体「CDA」と結びつくことで、これらの細胞がウイルスの侵入を受けないようにする。十数年ぶりとなる新型作用メカニズムを持つ抗レトロウイルス治療法として、「ibalizumab」は米FDAによる画期的な治療法に認定された。また優先審査資格とスムーズ通過資格、希少疾病用医薬品資格を得た。
 「Trogarzo」は新しい抗レトロウイルス治療法であり、既存の多くの治療法では効果を発揮できない成人HIV感染者を治療する。この新薬の安全性と治療の効果は、臨床実験で検証されている。同実験において、複数の薬剤耐性を持つHIV患者を集めた。患者はいずれも本格的な治療を受けたことがあり、一部の患者は10種以上の抗レトロウイルス治療法を受けた。研究者は、多くの治療を受けながらも、患者の血液中のウイルス水準(HIV-RNA)が依然として高いことに気づいた。ところが既存の治療法に「Trogarzo」を取り入れると、わずか1週間で大半の患者の血液に含まれる「HIV-RNA」レベルが目に見えて低下した。そして24週間後も、患者の43%の「HIV-RNA」水準が抑制されていた。

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