2018年03月12日-03月16日
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自動運転が解放してくれるのは人間の両手のみにあらず

2018年03月16日

 開催中の全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)で、自動運転技術がホットな話題になっている。自動運転車はどのような外観をしているのだろうか。自動運転はいつ実現されるのだろうか。完全に無人化されるのだろうか。自動運転は人間の両手を解放するだけでなく、ほかにもどんな変化をもたらすのだろうか。新華社が伝えた。

◆自動運転の2018年におけるスケジュール
 【自動運転車が開放された道路へ】
 上汽集団と蔚来汽車はこのほど中国で第1陣となる自動運転車用開放道路テストナンバープレートを取得した。閉鎖された道路と比べ、開放された道路は自然かつリアルな交通環境に近い。自動運転車はさらに不確定の人や車の流れといった多くの試練に直面することとなる。
 全人代代表で上海汽車集団股フン有限公司(フンはにんべんに分)の陳虹会長は、「当社はこれまで閉鎖された道路で自動運転5万キロ走行の実績を持つ。今年はさらに、渋滞や駐車問題、交通安全などに的を絞ったスマート運転量産化製品を打ち出す」と表明した。

【百度の自動運転小型バス、量産化を実現へ】
 全国政治協商会議委員、百度CEOの李彦宏氏は、「当社は今年の7、8月に金龍客車と開発する自動運転小型バスの量産化を実現する。このバスにはハンドルや操縦席といった操作を行うためのモノが存在せず、閉鎖された道路の特定のシーンでのみ使用できる。年末から来年にかけて、当社は北京と上海を結ぶ高速道路で、技術的に自動運転を実現したい」と述べた。

【全国各都市で自動運転を計画中】
 自動運転技術は交通運輸の発展に豊かな将来性をもたらしている。記者の調べによると、中国の自動運転技術マニュアルが現在策定中だ。上海市のほか、全国各都市・地域が自動運転を都市建設計画に盛り込んでいる。北京市は自動運転車の「実技試験細則」を発表し、雄安新区は自動運転車のテストを試み、深セン市は自動運転路線バスの開放的な道路での試験運行を行っている。合肥市はハイテク区で自動運転路線バスの試験を行う予定だ。浙江省の「スーパー道路」と呼ばれる杭紹甬高速道路では将来的に、車両・道路協力型の自動運転を全面的にサポートする予定だ。

◆自動運転は本当に無人化するのか?
 路上テストが可能な自動運転車においては現在まだ本当の意味での無人化は実現できない点は注目に値する。
 上海市嘉定区にある国家スマートネット接続車(上海)試行・模範区科学普及体験区で実施された初の開放的な道路でのテストにおいて、自動運転車の操縦席には「ベテランドライバー」が座り、自動運転の状況を観測していた。上汽集団によると、これらのドライバーは高い技術を備え、冷静であるばかりか、専門的な研修を受けているため、万が一危険が生じた場合も直ちにコントロールし安全を保障できる。李氏も、「開放的な道路で本当の意味での無人運転を実現するための技術は世界的に見てもまだ成熟しておらず、さらに数年を必要とすることになるだろう」と話した。
 業界内の専門家は、「ネット化、スマート化、デジタル化は、自動車発展の必然的な流れだ。無人運転やスマートカー、マンマシンインターフェースが登場すれば、自動車は第2の事務所や家になるだろう」と予想している。
 高級エンジニアで桑徳集団有限公司会長の文一波氏は、「未来の自動車は自動運転されるほか、大型スマホやPC、テレビ、充電器になる。そして仕事のできる秘書であり、移動する部屋でもある全能の自動車ロボットのようなものだ」と述べた。

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