2018年04月09日-04月13日
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「中国科学技術協会学科発展報告書2016−17」が発表

2018年04月11日

 「中国科学技術協会学科発展報告書2016−17」が10日、北京市で発表された。同報告書によると、中国の2016年の研究開発費(R&D経費)は1兆5676億7000万元(1元は約17円)に達し、EU15ヶ国の平均水準を2.08%上回った。また科学技術論文・特許が高度成長期を迎え、絶対数で世界上位を占め、学科プラットフォームの建設や科学研究者の育成、学科国際協力・交流に力を入れ続けている。科技日報が伝えた。
 中国は近年、世界初の宇宙量子科学実験衛星「墨子号」を打ち上げ、世界初の量子機密通信幹線「京滬幹線」も正式に開通した。北斗衛星測位システムはグローバルネットワークを構築する新時代に入り、スパコン「神威・太湖之光」は再び世界スパコンランキング「TOP500」で首位に輝いた。中国科学技術協会学会学術部副部長の蘇小軍氏によると、中国は量子通信やスパコン、天文学、生命科学、物理などの分野で、すでに先頭集団に入るか先頭を占めている。
 同報告書は近年30学科で得られた重大な突破や最新の進展・発展情勢、直面している課題などを発表した。蘇氏は、「リード・並走している学科の他に、中国は2016−17年に化学や先進原子力、遺伝学などの研究でも多くの成果を手にした」と述べた。化学分野では、凝集誘起発光(AIE)の概念を打ち出し、発光材料分野の新たな扉を開いた。この成果は2017年国家自然科学賞1等賞を授与された。先進原子力分野では、工業用コバルト線源の国産化に進展があり、数十年にわたり完全に輸入に依存していた局面を変え、世界第3位のコバルト線源サプライヤーになり、一部の輸出を実現した。機械設計分野では、中国の重機加工設備の無故障稼働時間が2000時間に達し、世界トップ水準に近づいている。
 深海・深層・深宇宙・インターネットの重大研究、国の重大需要への貢献の他にも、中国は医学・農業・材料などの分野でも近年、多くの成果を手にしている。例えば農学では、「準グルテン」構造の形成メカニズムを解明し、じゃがいもを主食とし、300種以上の新商品を開発した。公共医学分野では、2004年に始まった中国慢性疾患先見性研究に、段階的な成果があった。鉱物材料学分野で、中国の研究開発者はスムーズに充電・放電でき、作業温度範囲が広くサイクル寿命の長い、微膨張変態グラフェン負極材料を開発した。

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