2018年05月02日-05月04日
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四川省でテレビによる地震早期警戒サービスを開始

2018年05月04日

 地震発生から揺れが到達するまでに、四川省徳陽市と宜賓市の住民はテレビで、揺れの到達予想時間を字幕で見ることができるようになる。四川省科学技術庁や四川省ラジオ・テレビネットワーク、地震早期警戒四川省重点実験室などが徳陽市で3日、第1陣となる市・州級テレビ地震早期警戒サービスを開始した。科技日報が伝えた。
 地震早期警戒は地震予報と異なり、電波が地震の揺れよりも速い原理を利用し、地震発生後に電波を使い、震源地周辺に警報を出すことで、揺れが到達する数秒から数十秒前までに早期警戒を実現する技術だ。中国科学技術部(省)と四川省科学技術庁の重点プロジェクトの支援を受け、地震早期警戒四川省重点実験室は2011年より中国の31省・直轄市・自治区で、面積220万平方キロメートルを網羅する地震早期警戒ネットワークの構築を完了した。さらに2012年よりブン川(ブンはさんずいに文)、北川、茂県などに県1級テレビ地震早期警戒を提供している。
 今回の第1陣となる市・州級テレビ地震早期警戒は主に、四川ラジオ・テレビネットワークの支援による現地のラジオ・テレビネットワークの支援を受け、現地のラジオ・テレビネットワークシステムに基づき構築される。テレビ地震早期警戒システムは地震早期警戒四川省重点実験室地震早期警戒センターから早期警戒情報を受け、テレビネットワークとセットトップボックスを通じユーザーに情報を伝える。地震早期警戒情報を受けると、揺れの到達時間などの情報を字幕で表示し、音声で地震早期警戒情報を伝える。四川有線ネットワークの王春良会長は、「このサービスはラジオ・テレビネットワークによりセットトップボックスとつながる。つまり現地のすべての視聴者は、どのチャンネルを見ていても早期警戒を受けることができる」と話した。
 国家千人計画専門家、地震早期警戒四川省重点実験室の王暾氏は、「早期警戒の内容は、具体的に見ると2種類に分かれる。周辺で弱い地震が発生した際には、テレビ画面の右下に字幕で早期警戒情報が表示される。周辺で強い地震が発生した際には、字幕が画面全体を覆い、揺れの到達時間と予想震度を表示し、避難を呼びかける。今回は地震早期警戒システムをラジオ・テレビネットワークと結びつけ、徳陽市と宜賓市でサービスを展開した。これは四川省、さらには全国でテレビ地震早期警戒を展開するための、技術の実現性を備えたことを意味する」と説明した。

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