2018年07月02日-07月06日
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海洋化合物データバンクを中国が初公表

2018年07月04日

 山東省青島市で3日に開かれた「2018年世界海洋院所リーダー会議」において、青島海洋科学技術試行国家実験室(以下「同実験室」)学術委員会主任、中国工程院院士の管華詩氏が、同実験室の海洋天然物3次元構造データバンクを発表した。これは中国が初めて正式発表した海洋化合物データバンクとなる。科技日報が伝えた。
 管氏によると、海洋は大きな薬剤原材料の宝庫であり、人類は現在まで約3万構造の斬新かつ活性の多様な海洋天然物を発見している。同実験室や青島海洋バイオ医薬研究院、中国海洋大学などの複数の部門が、初の海洋天然物に的を絞った3次元構造データバンクを共同開発した。このデータバンクには約3万1000種類の海洋天然物の正確な3次元構造が含まれ、バーチャルスクリーニングやスマート薬剤の設計に直接用いることで、海洋薬剤の開発のペースト効率を上げることができる。
 同実験室は世界初めてとなる現在まで発見されている3万種以上の海洋化合物3次元データバンクを構築した。米国食品医薬品局(FDA)が認める170種以上の腫瘍薬剤ターゲットの海洋化合物データバンクに対する正確なスクリーニングを終え、開発の将来性を持つ1000種以上の抗腫瘍薬剤初歩分子を発見した。生物学、薬理・薬力学の分析により、海洋薬剤スクリーニングの精度は20%以下から70%以上に向上した。

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