2018年09月10日-09月14日
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空港預け入れ禁止物品もこれさえあれば3秒で発見可能

2018年09月12日

 四川省の成都双流国際空港では預け入れ荷物の検査が秩序正しく行われていた。そんな中、画面上に「疑わしい物品」とアラームが自動表示された腕輪が現場の職員の注意を引いた。象牙製品の疑いがあったが、トランクを開けて調べてみたところ、あるべきはずの象牙製品は見つからなかった。科技日報が伝えた。
 同空港税関当局の責任者である楊洋氏は、「検査機は象牙製品を確認していたので、現場の職員は通行を許可しなかった。監視カメラをチェックし、当事者の身体検査を行ったところ、そのふくらはぎに象牙の腕輪、櫛、箸など計20点が隠されていた。重さにして約465.1グラムだった」と話した。
 成都税関は全国で初めてCTスキャン型荷物検査機による検査を試験的に行っている税関であり、第1期の全国スマート画像検査を試行中だ。スマート画像検査技術によりAIによる監督管理のアシストを実現する。成都税関はさらに旅客検査の現場で、今年最大規模の象牙密輸を防いだ。押収された象牙製品は18点で、重さ1725グラムにのぼる。

◆荷物の真の姿を暴き出すAI税関
 双流空港の税関は今年より、この「AI税関」スマート画像検査設備を使用している。新型デュアルエナジーX線透視による物質識別方法を採用。CT画像の補助により、スキャンされた物体の効果的な原子番号と電子密度の分布を再現する。さらに平行線の性質を持つ直線軌道CTイメージングシステムを使い、荷物の断層画像を作る。物体が重なる問題を解消し、比較的正確な物質識別を実現した。楊氏は、「システムは3ミリごとに断層スキャンを行う。物品の密度、有効な原子番号及び形状といった物理的特性を知ることができる」と述べた。
 楊氏は、「科学技術の手段により物品の形状・密度・原子番号を総合的に分析し、画像を判断する。また機械学習により、現在のスマート画像検査の画像の判断にかかる時間は平均3秒と、ベテラン職員による水準に達している。また検査の所要時間は職員の50分の1に短縮されている」としている。
 このスマート画像検査設備は「学習」を重ねることで、荷物検査画像を自動的に識別し、その品目を初歩的に判断できるようになっている上、重点監督管理物品の早期警戒などの機能も備えている。

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