「食器を4時間洗わなければ毒を食べるようなもの」という噂により、食器を放置しがちな多くの人が懸念を募らせている。実際にそれほど恐ろしいことなのだろうか。
この説には主に二つの根拠がある。まず、細菌が新たな環境に入ってから1−4時間は適応期で、繁殖が遅いが、4時間後には急速な繁殖期に入る。
次に、食器に残された豊富な油脂などが、細菌の発生・繁殖に良好な環境と栄養を与える。プロテウス菌やサルモネラ菌など腸疾患を起こしやすい微生物は、水に浸された食器の中で繁殖しやすい。
実際には病原菌が病気を引き起こすためには、一定の数に達しなければならない。私たちは食器洗いをする時に、水で洗浄するほか洗剤などを使用する。これらの用品には一定の殺菌効果があり、ある程度の細菌を殺すことができる。これにより病原菌がある程度の数に達しなくなり、人体にも高い免疫力があるため、中毒・感染しにくくなる。
次に、細菌のすべてが有害というわけではない。
細菌にも分類があり、例えば、プロテウス菌は無害である一方で、サルモネラ菌は食器を水に浸すと発生するが、そのペースは遅い。繁殖に最適な温度が37度であることから、水道水は優れた繁殖・成長環境とは言えない。
そのため4時間食器を洗わなかったからといって、毒を食べるようなものという説を完全に信じるわけにはいかない。だからと言って、これは食器を放置しておくのが良いということではない。有害な菌が増え過ぎれば、あるいは十分に洗わなければ口から体内に入る。食後ただちに食器を洗うことをおすすめする。