南京大学が5日に明らかにしたところによると、先ほど開催された第3回国際層序委員会(ICS)にて、中国科学院院士であり南京大学地球科学・工学院教授の沈樹忠氏が国際地層学最高賞「ICSメダル」を受賞した。アジア人の科学者による受賞は今回が初めて。新華社が伝えた。
同賞はICSによって2004年に設立された。4年毎に1人に授与されており、これまでの受賞者は4人のみ。
ICSのデビット・ハーパー委員長は沈氏に賞状と金メダルを授与した。ハーパー氏は授賞の言葉の中で、受賞者の沈氏について、「沈氏は世界的に有名な地質学者、古生物学者、腕足類・コノドント研究の専門家で、世界の地質時代の区分に重要な貢献を成し遂げた。二畳紀の2本の「金の釘」を中国に打った主な貢献者の一人だ」とし紹介した。
沈氏はICS二畳紀分科会の議長に8年近く就任しており、長期的に世界の二畳紀の研究をけん引している。生物地層学、化学地層学、年代地層学、古代地理再建、生物多様性の変化モデルなどの多くの画期的な成果を上げている。沈氏は西蔵(チベット)科学調査に5回参加し、ヒマラヤ地域の高分解能二畳紀・三畳紀地層及び地球化学断面を構築した。また南方高緯度地域の二畳紀末生物大絶滅モデルを構築した。
沈氏とその他の科学研究者が協力し、二畳紀末の陸海生物大絶滅の同時性と瞬時性を論証した。大規模マグマ活動による地表環境の大きな変化が、生物大絶滅の主因であると指摘した。関連成果は「サイエンス」「米国科学アカデミー紀要」「Earth and Planetary Science Letters」などのトップクラスの学術誌に掲載され、国内外の多くの大学の教材に組み込まれている。
「金の釘」とは「国際標準模式層断面及び地点(GSSP)」のことで、国際地質学のある地質時代の境界を示す唯一の基準だ。中国はこれまで「金の釘」を世界最多の11本認定している。