中国航天科技集団第一研究院が9日に明らかにしたところによると、同研究院総体設計部三室はこのほど「超長大口径高耐圧エアバッグ事前検収試験」を完了した。これは世界最大で耐圧性が最も高いロケット分離エアバッグの開発に成功したことを示している。科技日報が伝えた。
同プロジェクトの開発責任者の胡振興氏によると、新たに開発された分離エアバッグは現在使用されているものより長さが5倍に、口径が2倍に、耐圧性が3倍になっている。未来の大型運搬ロケットのカウリングは大きく重く、2つのカウリングを合わせて1つにした後、間の分離エアバッグが大きな圧力をかけることでその分離力に耐えなければならない。そのためこのエアバッグは大型である必要があり、大型運搬ロケットカウリングの「腰」全体を包み込まなければならない。また2つの巨大なカウリングの圧力、火工品の爆発の衝撃力に耐えられるほど頑丈でなければならない。
胡氏によると、この2点を実現するために、同エアバッグは2つの技術のボトルネックを解消する必要があった。
まず、大口径超長エアバッグの安定生産技術だ。エアバッグを織る面積が広いため、加硫複合の過程において欠陥が生じやすい。そのため研究者は材質の柔らかいスプリングチューブを使い、織る際に生じるけん引力を分散させ、バランスを取った。これにより織物の安定性を確保し、超長エアバッグの無損複合を最大限に保証した。
次に耐高圧エアバッグの素材選択と生産技術だ。大型エアバッグは高い耐圧性を持たなければならない。カウリングの分離の際にガス漏れが生じる問題を解消するため、研究者は中国内外の高強度繊維素材とライニング材の研究を掘り下げ、指標の条件を満たす製品を選び、耐高圧エアバッグの素材選択と生産技術の進展を実現した。大きさがA4紙1枚分の分離エアバッグが、重さ2トンの自動車20台の圧力に耐えられる。
超長大口径高耐圧エアバッグは、中国内外で最大のエアバッグだ。その開発成功により、中国のエアバッグ分離装置の技術水準が大幅に向上し、中国の大型ロケット用大型カウリングの高安全性フラット分離に技術的サポートを提供した。