2019年07月08日-07月12日
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火星探査、何が難しいのか?

2019年07月12日

 「中国は2020年に火星探査を行う」。8日に開かれた2019ソフトウェア定義衛星サミットフォーラムで、中国科学院院士で中国月探査プロジェクト首席科学家の欧陽自遠氏が明らかにしたこの情報を受け、火星探査をめぐる議論が再び活発化した。工人日報が伝えた。

 欧陽氏によると、中国は火星衛星、火星着陸機、火星ローバーを通じて共同で火星探査を行う。すでに火星ローバーの準備は整っている。また欧陽氏によると、中国は火星探査軌道の設計、測量・制御通信、独自ナビゲーション、表面軟着陸などのカギとなる技術の科学研究開発を終え、独自の火星探査の技術の基礎を固めている。

 周知の通り、中国の火星探査はスタートが遅かった。しかし宇宙専門家によると、遅いとはいえスタートラインが高く、効率的だという。例えば今回の初のミッションでは一度に「周回」「着陸」「巡行」の3大ミッションを達成する予定で、これはこれまでの宇宙事業の歴史に例がないことだ。

 世界各国は現在まで少なくとも46回の火星探査活動を行っているが、うち成功したのは20.5回のみで45%未満となっている。そのため火星は「宇宙船の墓場」と呼ばれている。最も危険なのは火星軌道への移動、それから着陸という2つの段階だ。

 いつ「ブレーキ」をかけて火星軌道に入るか、軌道に入る角度はどの程度にするか、いつ落下傘を開くか、いつ落下傘を切り離すか。これらすべての部分に危険が伴い、正確な計算を行う必要があり、コンマ一秒の誤差も許されない。宇宙事業マニアは、宇宙船着陸の7分が「魔の7分」と呼ばれることを知っている。

 電波の強さと距離の平方が反比例をなし、距離が遠いほど電波が弱くなる。また地球・火星間の距離により10分以上の遅延が生じる。探査機が火星軌道に入り、着陸をするカギとなる時間については、研究者は事前にデータを入力し、探査機に自主的に判断させるしかない。

 火星探査と月探査の最大の違いはその遠い距離にある。地球・月間の平均距離は38万キロで、地球・火星間は最も近い時でも5500万キロ、最も離れた場合は3−4億キロある。これは測量・制御能力にとって極めて高いハードルとなる。火星探査機を正確に着陸させるのは、パリからゴルフボールをショットし東京のホールに入れるようなものという比喩もある。

 火星探査は難易度が非常に高いが、中国はすでに多くの準備作業を進めており、数回成功した月探査も重要な技術の基礎を固めている。まず、火星探査機を打ち上げるには大推力の運搬ロケットが必要だが、中国の「長征5号」はこの能力をすでに備えている。次に、中国は超長距離の測量・制御に焦点を絞り、深宇宙測量・制御ステーションをすでに完成している。さらに月探査機「嫦娥2号」の拡張ミッションの中で、1億キロ以上の測量・制御を実現している。それから、月探査の成功は、中国の着陸及び巡回技術などの基礎を固めている。

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