気温が上がり、蚊も増えている。多くの人にとって、真夏日に耐え難いのは気温だけではなく、嫌でも寄ってくる蚊もそうだ。科技日報が伝えた。
そこで毎年この季節になると、巷ではさまざまな虫除け対策が噂される。ビタミンBを摂取し、虫除けブレスレットを使用し、超音波駆除機や紫外線ライトで蚊を追い払う――これらの方法に効果はあるのだろうか。
◆ビタミンBの塗布や服用は蚊の駆除に効果なし
ビタミンBで虫除けをする方法が近年、ネット上で広く伝わっている。ビタミンB1と真水を一定の割合で混ぜた水に虫除け効果があるという説もある。また、遊びに出かける数日前にビタミンB群を摂取することで虫除けができるという説もある。
軍事科学院軍事医学研究院微生物流行病研究所の趙◇(丹へんに彡)言研究員は「ビタミンBの服用や塗布による虫除けについては、多くの実験で効果がないことが証明されている。ビタミンB1を溶かした水をスプレーしても、ビタミンB1を直接摂取しても蚊を駆除する効果がないのだ」と述べた。
米食品医薬品局によると、ビタミンB1の摂取による虫除けの効果を裏付ける十分なデータが存在しない。
◆虫除けブレスレットは話題性あるが、実用的でない
成都華希昆虫博物館の趙力館長は取材に対し、「虫除けブレスレットには虫除け薬が入っており、服に虫除けスプレーをするのと同じような効果がある。しかし虫除け薬はすぐに揮発し、話題性はあるが、実用的でない」と述べた。
趙氏は「数年前にテレビ局の記者が、虫除けブレスレットの効果を確かめて欲しいと私の実験室を訪れた。市場で販売されているブレスレットを装着し、蚊が500匹いるケース内に手を入れたところ、虫刺されだらけになった。ブレスレット内の植物由来の虫除け薬には一定の効果があるが、ブレスレットは全身を守ることができず、局部の虫除けスプレーほど効果的ではない」と指摘した。
◆超音波駆除機、一部の蚊にのみ効果あり
超音波駆除機が近年、徐々に流行し始めている。他にも人々は携帯電話やパソコンに、虫除け超音波を発するソフトやアプリを搭載している。これらの「ハイテク」製品は、知らぬ間に虫除け効果を発揮すると宣伝しているが、これほど気軽に試せる効率的な神器が本当に存在するのだろうか。
趙氏は取材に対し「超音波による虫除けは主に、オスの蚊の音を真似することで血を吸うメスを追い払う。メスは一度交尾すると二度と交尾したがらないため、オスの羽の振動音を真似した超音波を聞くと逃げてしまう。この原理は確かに信頼できるが、現在の駆除機は特定の蚊の羽の振動周波数しか真似できず、蚊の種類に応じた超音波を出すことができない」と説明した。
◆蚊取り線香などが確かな措置
趙氏は「神出鬼没な蚊をやっつけるための本当に効果的な方法は、最も伝統的な蚊取り線香や虫除けスプレー、それから蚊帳や網戸などの物理的な方法だ」と述べた。
趙氏によると、農業部(省)承認番号を獲得した合格の殺虫剤(蚊取り線香や電気蚊取り)は非常に直接的かつ効果的だ。これらの製品にはピレスロイドという合成殺虫剤が含まれ、蚊取り線香もしくは電気蚊取り液が加熱されると揮発し空気中を漂う。蚊はそれに触れると死ぬが、人体に影響はない。
趙氏は「暑い日に長袖長ズボンで物理的に防護するのは現実的ではない。それならば蚊取り線香や殺虫剤などで直接蚊をやっつけると同時に、皮膚もしくは服の表面にディートやピカリジンの成分が入ったローションやスプレーなどを塗るといいだろう」と提言している。