マンホールが緩めば自動通報し、ゴミ箱があふれれば清掃員を自動で呼び出し、街灯の明暗を自動的に調節する――北京世界園芸博覧会(世園会)は、IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティング、5Gなどのハイテクを結びつけ、科学技術の新境地を切り拓く、革新の新たな模範となる園芸の祭典となっている。光明日報が伝えた。
従来のスマートエリアと異なり、世園会のシーンは個人の需要を把握した上で、観光客の行為とその他の観光客、エリア内資源、空間とのインタラクティブな関係を重視することで、よりスマートな調整を実現する。この視点から、スマート世園会は建設の過程で人間を中心に据え、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術的優位性を発揮し、観光客の行為を正確に分析する。すべての観光客の「何をしているか」「何をするか」「エリア内のその他の人にどのような影響を及ぼすか」を把握するようにしている。
今年の世園会の敷地内には2G・4G・5G基地局が複数設置されている。世園会の利用客数の見積もりによると、敷地内のモバイルネットワークは1日平均10万人、ピークで25万人のネット接続の需要を満たすことができ、5万人以上のユーザーが同時にネット接続できる。中国館、国際館、生活体験館の周辺には緊急時対応車両が配備され、エリア内のすべての通信の需要を十分にサポートしている。人々の5Gネットワークの特徴(広帯域、低遅延、IoE)への認識を深め、中国の5G革新の実力をアピールするため、世園会は5Gの技術成果を展示し、展示ブースには接待係と危機対応チームがおり、VIPや記者をもてなす専門の職員がいる。展示内容には、5Gゲーム、5Gホログラム通信、5Gスマート都市、5Gネット接続無人機がある。
世園会のロボットには来場者受付、来賓のおもてなし、会場内の案内、質問への受け答えなどの機能がある。中国館、国際館、生活体験館の接待係と解説を担当。かわいらしいロボットは毎日、会場を訪れた観光客を自らもてなすことができる。観光客はロボットとの音声交流、もしくはロボットの体に取り付けられた大型パネルを使うことで、世園会の地図、関連ルート、展示エリアの情報などをいつでも調べることができる。またロボットは会場内を案内し、具体的な内容について詳細に解説し、「グリーンライフ・美しい生活環境づくり」というテーマを伝えている。
マンホール、ゴミ箱、街灯、バッテリカー、煙探知環境観測などの会場内のインフラは、いずれもIoTのネットワークを利用し、大量の設備・端末の同時接続を実現している。またエネルギー消費量を削減し、設備の給電の問題を解消している。これらのハイテクにより、会場内の管理者は外に出なくても施設の状況を把握することができる。プラットフォームは一つのインターフェイスを通じ、会場内の隅々を展示できる。観光客は世園会を通じ、未来のスマートエリアの真の到来を知ることができる。