ロンドン大学クイーン・メアリー校が発表した最新の研究結果によると、中国の成人の過去40年間の食塩摂取量は1日平均10グラム以上で、世界保健機関(WHO)の推奨基準の2倍以上となっている。中国政府はこれまで社会全体に減塩の参加を呼びかけてきた。科技日報が伝えた。
同校の研究者は、「American Heart Journal」(最新号)に発表した論文の中で、中国人の食塩摂取量に関して、児童900人・成人2万6000人に関わる数多くの発表されたデータを分析した。その結果、中国人の過去40年間の食塩摂取量が高止まりしており、南方地域と北方地域で差があることが分かった。
研究によると、中国北方地域の住民の食塩摂取量は1日平均11.2グラムで、80年代の12.8グラムからやや減少した。研究者はその原因について、中国政府が全国民の減塩意識の向上に取り組んだこと、また一般人が四季を通じてさまざまな野菜を食べられるようになり、漬物などの食品に対する依存が減ったことを挙げている。
しかし南方地域では減少が見られなかった。南方地域の住民の1日平均の食塩摂取量について、80年代は8.8グラムだったが、現在は10.2グラムに増加している。研究者は、加工食品の過度な摂取、外食の増加などにより政府の減塩の努力が相殺された可能性があるとしている。
食塩の過度な摂取は、高血圧、冠状動脈疾患、脳卒中などの疾患の重要な原因の一つだ。これまでの研究でも、中国人の食塩摂取量が多いことが分かっており、関係方面から重視されていた。中国は今年発表した「国務院の健康中国キャンペーンの実施に関する意見」の中で、社会全体の減塩参加を奨励すると明記している。