「年を取り、体のあちこちに病気がある。車酔いするから大きな病院に行くのは難しい。病院が村に車を送り、自宅の玄関先で専門家の診断を受けられるとは思いもしなかった」。スリットランプ検査と眼底検査を受けた、武陵山区にある湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州巴東県緑葱坡鎮貧困者支援ステーションで暮らす村人の譚元清さんが笑いながら語った。新華網が伝えた。
譚さん(67)は長年病気に苦しんでおり、糖尿病や脳梗塞などを患っている。彼が話す車とは、中国移動(チャイナ・モバイル)が華中科技大学同済医学院附属同済病院と協力している5Gスマート医療車のことだ。この車は5G救急車をベースとし、人工知能(AI)や拡張現実(AR)などを組み合わせ、5Gネットワークを使い高品質医療資源を農村部に届ける。同済病院の専門家は5Gネットワークを使い、健康知識を遠隔で教えるとともに、遠隔診断を行う。
400キロ以上離れた武漢市の同済病院では、専門家たちは5Gネットワークを使い現場の医師による超音波診断の操作方法や部位の選択をリアルタイムで指導するとともに、リアルタイム映像に基づき診断し、診断報告書を作り、クラウドプラットフォームにアップ。現場の医師はこれをダウンロード・プリントアウトし、患者に手渡した。こうして遠隔超音波診断が完了した。
遠隔眼底検査では、車内の5Gネットワークに基づく眼科遠隔問診+眼科スマートイメージング認証(AI)一体型装置早期検査システムが大活躍した。現場の医師はAIアルゴリズムにより緑内障、白内障、黄斑変性などの眼疾患及び慢性病の補助的な診断を行い、臨床決定及び医療データのスマートな応用を実現した。その後同済病院は検査を受けた患者のリアルタイム・遠隔問診を行い、地域内の相互接続とレベル別診療を実現した。
湖北移動貧困者支援活動弁公室の関係責任者によると、緑葱坡のような貧困村は専門的で質の高い医療資源が不足しており、一部の人々が病気により貧困になり、貧困に戻っている。5G遠隔医療によるターゲットを絞った貧困者支援キャンペーンの展開は、5Gネットワークを利用し質の高い医療資源の農村部進出を促し、貧困地域の人々の医者にかかれないという悩みを解消する。
湖北移動計画部5Gプロジェクト専門家の桂◇鵬氏(◇は昆に鳥)は「5Gが超広帯域・低遅延・大規模接続の特徴がある。5G遠隔医療は遠く離れた地域・貧困地域の資金・設備・技術などの不足を効果的に補うことができる。患者は外に出なくても都市部の質の高い医療資源及びサービスを利用できる」と述べた。