中国科学院南京地質古生物研究所の潘兵補佐研究員らはこのほど、スウェーデン自然歴史博物館のSkovsted博士と協力し、華北地台南側のカンブリア紀前期の地層から見つけたヒオリテスの化石の系統分類学研究を行い、10属・14種(新たに見つかった2属・3種を含む)を発見した。同時代の華北地台におけるヒオリテスの組み合わせを解明した。関連成果は世界的な古生物学術誌「Alcheringa」に掲載されている。科技日報が伝えた。
潘氏は「カンブリア紀前期の場合、ヒオリテスは通常、二次元の平べったい状態で砕屑岩の中に留められるか、三次元の立体の状態で炭酸塩岩の中に留められる。しかし、炭酸塩岩の中で保存された化石の多くはリン酸化されているため、それらの殻と口蓋は通常、分離した形で留められ、合わさっている標本は少ない。これはカンブリア紀前期のヒオリテスの系統分類が、長期的に混乱していた原因でもある」と述べた。
「今回の研究において、潘氏とその他の研究者は酢酸に浸す処理方法により、陝西省、山西省、河南省、安徽省のカンブリア紀前期の辛集グループと猴家山グループの中から、三次元リン酸塩化方式により留められたヒオリテスの大量の化石を発見した」と続けた。
潘氏はまた、「より重要なことは、今回見つかった標本に多くの口蓋が残されていたことだ。特に貴重なのは、多くの殻の口の端に口蓋の外側が残されていたことだ。これにより分散した殻と口蓋を同じ種と特定しやすくなる。これらのヒオリテスの地層の年代、古代地理的分布を総括・分析したところ、これらがカンブリア紀第三世後期から第四世前期にかけてのものであることが分かった。属・種の組み合わせは当時のゴンドワナ東部の豪州に最も近く、またローレンシア大陸のグリーンランドとも似ている。これは約5億1500万年前に、華北プレートが豪州及びグリーンランドと比較的近かった可能性を意味する」と述べた。