2019年11月18日-11月23日
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中国の稲作、50年で生産量が130%増

2019年11月19日

 中国農業科学院の最新の情報によると、同科学院作物科学研究所(以下「同研究所」)作物耕作・生態革新チームの最新の研究によって、中国の過去50年にわたる稲品種改良及び稲作技術革新により、稲の単位あたり生産量が130%増加したことが明らかになった。また、稲田の温室効果ガスの排出量は約70%削減され、炭素排出削減に重大な貢献を成し遂げた。これにより、中国の現代稲作は高生産量だが温室効果ガス排出量も多いという世界の間違った認識を是正された。関連研究成果はこのほど、「Environmental Research Letters」(電子版)で発表された。科技日報が伝えた。

 チーム代表者で同研究所研究員の張衛建氏によると、稲は中国の最も重要な食糧作物で、稲田は温室効果ガス「メタンガス」の最大の排出源だ。

 研究チームは長年の大標本品種の比較、稲田定点観測、地域リサーチ、過去データ調査により、中国の過去50年間の稲品種改良、栽培の革新、稲作付体系調整などの生産量及び温室効果ガス排出に対する影響を総合的に評価した。研究によると、稲作の北への移動、高生産量品種及び水制御・酸素増加耕作など稲作技術革新により、稲の単位あたり生産量を130%増加させた上で、稲田の温室効果ガスの排出量を約70%削減した。うちメタンガスの排出削減が特に顕著だ。この成果は世界における中国の稲産業に対する間違った認識を正し、かつ世界の高生産量・低排出稲作革新の方向性を示した。世界の作物生産の気候変動対応に対して、理論と技術の面で参考材料を提供したと言える。

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