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中国、がんの治療効果を強化する「スマート光熱材料」を開発

2019年12月02日

 中国科学技術大学の梁高林教授の課題チームはこのほど新材料を開発した。その材料は、現在の臨床上で使用されている光熱材料と比べると、その光熱変換効率は2倍以上で、光熱耐がん技術分野で重要な進展を実現した。材料分野で世界トップの学術誌「Advanced Functional Materials」がこのほど、この成果を発表した。新華社が伝えた。

 光熱治療法は手術、化学療法、放射線治療に続く一種の新型低侵襲抗がん技術で、その技術の原理はこうだ。光熱変換機能を持つ薬剤を体内に注入し、ターゲット認識技術によりこれを腫瘍付近に集め、さらにレーザー照射により光エネルギーを熱エネルギーに変換することでがん細胞を死滅させる。

 しかしレーザー照射中に、光熱材料が蛍光を発することが多い。その蛍光が増えるほど変換される熱エネルギーが減る。この問題を解消するため、世界の学術界では「蛍光消光法」が研究された。これは分子間の蛍光が消光し、発熱に「専念」させるよう誘導する方法だ。

 中国科学技術大学の梁氏の課題チームはこのほど独特な技術案を採用し、新型有機小分子材料を設計・合成した。この材料ががん細胞に取り込まれると、まず「分子内蛍光消光」をスマートに起こし、それから「分子間蛍光消光」を起こす。2度の蛍光消光により材料の熱転換効率を高める。

 彼らはさらに同校の江俊教授、張群教授、安徽師範大学の王広鳳教授らと協力し、理論の計算と実験を行った。その結果、現在使用されている「蛍光消光誘導法」と比べると、この新材料は光熱変換効率を2倍以上に高めることができ、腫瘍の光熱治療効果を大幅に強化できることが分かった。

 梁氏によると、彼らの新技術は診療上の光熱変換効率を高める実現可能な手段を提供した。その他の疾患の光熱治療に応用される見込みもあるという。

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