上海市で3日に開催された第20回中国国際海事会展で、中国船舶第七一二研究所(以下「同研究所」)は独自の知的財産権を持つ、中国初の500kW級船舶用燃料電池システムソリューションを発表した。中国のグリーン船舶発展の推進に新たな原動力を提供した。科技日報が伝えた。
同研究所が開発した船舶用水素燃料電池システムは、エネルギー変換効率が高く、振動騒音が少なく、ゼロエミッション・無汚染といった優位性があり、ハイテク船舶の未来の発展にとって理想的な動力エネルギー装備だ。
同研究所は中国船舶集団の水素エネルギー・燃料電池システム分野の中心的な研究機関として、燃料電池の船舶、新エネ車、分散型発電などの分野における応用に長期にわたり取り組んできた。独自開発を堅持し、全面的かつ安全性の高い水素貯蔵・燃料電池の基礎的技術を蓄積しており、多くの燃料電池製品を開発し、業界内で先頭を走っている。
世界市場における船舶用燃料電池の容量はおおよそ160GWとなっている。交通運輸部(省)水運科学研究院のデータと専門家の計算によると、水素燃料電池システム改造船の数は2025年に約400隻、水素燃料電池船の数は約200隻にのぼる。水素燃料電池システムの市場規模は200億元(1元は約15.4円)に達する。
水素燃料電池システムはボート、公船、漁船、タンカーなどさまざまな用途の船舶に使用できる。海外の現段階の船舶用燃料電池の出力は通常350kW以内で、500−1000kWに向け発展している。同研究所の船舶用燃料電池システムは、中国の内陸河川で実際の船に搭載され、応用されている。同研究所が同システムの完全に独自の知的財産権を持ち、中核部品はほぼ独自のもので制御可能となっている。カギとなる性能・指標が世界先進水準に達し、中国内の同分野の空白を補った。