2019年12月16日-12月20日
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今年の「10大科学発信事件」が発表

2019年12月18日

 中国科学技術協会は17日北京市で「典賛・科学普及中国2019」イベントを開催した。イベント会場で今年の「10大科学発信事件」の審査結果を発表した。中央テレビニュースが伝えた。

1.嫦娥4号が月の裏側に着陸

 「嫦娥4号」探査機は1月3日、月の裏側の東経177.6度、南緯45.5度付近の予定の着陸エリアに着陸した。また中継通信衛星「鵲橋」を通じ、世界初の近距離撮影された月の裏側の画像を送った。今回の任務により、人類の探査機が初めて月の裏側に軟着陸した。

2.史上初のブラックホールの写真が発表

 中国を含む世界各地の天文学者が4月10日、「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」プロジェクトの初の重大成果を発表した。人類は初めてブラックホールの写真を取得した。このブラックホールはおとめ座方向の大楕円銀河M87の中心部に位置し、地球から5500万光年離れており、質量は太陽の約65億倍。

3.中国が初のロケット海上発射に成功

 中国は6月5日、黄海の海域で「長征11号」キャリアロケット(CZ-11 WEY号)を使い、衛星7基を同時に海上から打ち上げる技術の実証実験に成功した。中国初の海上発射を行い、中国キャリアロケットの海上発射の空白を埋めた。

4.中国が正式に5G商用ライセンスを発行

 工業・情報化部(省)は6月6日、中国電信、中国移動、中国聯通、中国広電に5G商用ライセンスを正式に発行した。中国は5G商用元年を迎えた。5Gには高速・低遅延・高信頼性などの特長があり、次世代情報技術の発展方向、デジタル経済の重要な基礎となる。

5.屠呦呦氏のチーム、アルテミシニンに対する「薬剤耐性」の研究に進展

 新華社は6月17日、屠呦呦氏のチームのアルテミシニンに対する薬剤耐性の研究の進展を伝えた。それによると、近年世界の一部地域でアルテミシニンの薬剤耐性という難題が生じていることについて、屠氏のチームは長年の研究を経て、「抗マラリアのメカニズムの研究」「薬剤耐性の原因」「治療手段の調整」などの面で新たな進展を実現した。最近「アルテミシニンの薬剤耐性」という難題に対応する実現可能な治療プランを打ち出し、そして「アルテミシニンによるエリマトーデスなどの治療の適応症」「伝統的な中国医薬の科学研究論文の海外進出」などの新たな進展を実現し、世界保健機関(WHO)及び中国内外の権威ある専門家から高く評価された。

6.中国人科学者が脳型チップを開発

 ネイチャー誌は8月1日の巻頭記事で、清華大学などの機関からの研究者が世界初のハイブリッドアーキテクチャ脳型チップを開発したと伝えた。脳型計算とコンピュータに基づく機械学習を結びつけた同チップの融合技術は人工知能の研究と発展を促進する見通しだ。

7.中国が独自開発した最大直径シールドマシン、深センで始動

 中国が独自開発した最大直径シールドマシン「春風号」が8月13日、深セン市の春風トンネルで正式に稼働開始した。同設備は中国がこれまで独自設計・製造したうち直径が最大の泥土バランス式シールドマシンで、その設計・製造技術は国際的な先進水準に達している。掘削直径は15.8メートル、重さは4800トン、全長は135メートル。総出力は1万1500kW以上、掘進総推力は2万4600トン。

8.袁隆平氏ら42人、国家勲章と国家栄誉称号が授与

 習近平国家主席は9月17日に主席令に署名し、袁隆平氏、屠呦呦氏 (女性)、葉培建氏、呉文俊氏、南仁東氏(満州族)ら42人に国家勲章と国家栄誉称号を授与した。

9.ハッブル望遠鏡、恒星間彗星の初の鮮明な写真を撮影

 アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関が管理するハッブル望遠鏡は10月16日、初めて直接観測された恒星間彗星「2Ⅰ/ボリソフ」の写真を撮影した。これは同望遠鏡が撮影したこの神秘的な恒星間彗星の最も鮮明な写真だ。発見者、クリミアの天文愛好家のゲナデイ・ ボリソフ氏を記念し、その名がつけられた。

10.中国の火星探査任務が初公開

 中国初の火星探査任務着陸機の空中浮揚・障害物回避試験が11月14日、河北省懐来県で行われた。この試験により、中国の火星探査任務が初公開された。同試験は着陸機の火星環境における空中浮揚、障害物回避、減速・着陸の過程を想定し、その設計の正確性を総合的に検証した。

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