2020年01月02日-01月10日
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世界初の移動可能量子衛星地上ステーション、「墨子号」との連結に

2020年01月02日

 山東省済南市政府が31日に明らかにしたところによると、中国科学技術大学、科大国盾量子技術股フン有限公司(フンはにんべんに分)、済南量子技術研究院が共同開発した世界初の移動可能な量子衛星地上ステーションが30日午後11時31分44秒に済南市で、量子科学実験衛星「墨子号」との連結に成功した。これは中国の量子分野における技術革新・応用の重要な進展を意味する。新華網が伝えた。

 中国は長い間にわたり量子暗号通信分野で世界の先頭に立っている。「墨子号」は2016年8月16日に打ち上げられ、世界に先駆け量子パスワード伝送などの3つのキー技術の研究を展開し、2017年9月29日に世界で初めて北京・ウィーン(オーストリア)間の大陸間量子暗号通信動画通話を実現した。

 「墨子号」は地上から500キロ離れている。量子衛星地上ステーションは30日午後11時31分44秒に自動捜索により、「墨子号」との連結を正確に実現した。「墨子号」は連結後、パスワード伝送が可能だ。済南の地上ステーションが受信後、パスワード実験を実施できる。連結には8分近くかかり、順調に成功した。

 天地一体化量子通信ネットワークのカギとなる一環である、国家量子暗号通信中堅ネットワーク「京滬幹線」が完成した。全線の総延長は2000キロ余りで、すでに動画会議や交通銀行、工商銀行、アリババの信用情報の暗号伝送などにおける応用モデルを実現している。

 済南量子通信試験ネットワークはすでに「京滬幹線」への接続に成功し、中国広域量子通信ネットワークの重要な構成部分になっている。これを踏まえた上で建設された「墨子号」量子衛星済南地上ステーションは、量子パスワード伝送などの関連技術の研究を展開する。さらに済南ネットワーク、党政専用ネットワークなどの都市部ネットワークとつながることで、行政・金融・教育などの需要を満たし、「量子+」応用モデルの新たなプロジェクトを構築する。

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