中国航天科技集団有限公司(以下、航天科技集団)は17日に行った記者会見で、北京空間科技情報研究所空間瞭望シンクタンクが「中国航天科技活動青書(2019年)」(以下、青書)を発表し、2019年の宇宙科学技術活動を全面的に振り返るとともに、航天科技集団の「スーパー2020」宇宙飛行発射計画を紹介した。光明日報が伝えた。
「青書」の統計データによると、中国は2019年に年間で合わせて34回の宇宙飛行発射任務を完成させ、81基の宇宙機を発射させており、その発射回数は2年連続で世界一位となったが、その発射ペイロードは質と量においてはいまだ米国との差は小さくない。
空間瞭望シンクタンクの責任者で航天科技集団戸五院512所の于淼所長は、「中国航天科技工業の主力として、航天科技集団は2019年に計27回の発射を実施した。これらの発射任務には、『長征5号遥三』キャリアロケットの発射成功や、長征11号キャリアロケットの初の海上発射といった注目を集めた重大な任務も含まれていた。また開発・発射した宇宙機は中国が開発・発射した宇宙機総質量の91.7%を占めており、宇宙航空企業において開発・発射したロケットの回数と宇宙機の総トン数という二つのランキングでいずれもトップを実現した」と紹介した。
またデータによると、2019年年末までに、航天科技集団が開発した長征シリーズキャリアロケットは延べ323回の発射任務を展開しており、予定の軌道に送り出すことに成功した宇宙機の数は500基以上、発射した宇宙機の数量は中国の発射総数量の93.1%を占め、発射した宇宙機の質量は中国の発射した総質量の98.7%を占めるなど、中国の宇宙キャリアロケットにおける絶対的な主力となっている。
国の重大宇宙事業任務が盛んに発展し展開されているのと同時に、中国も世界に続いて商業宇宙飛行の発展へと歩みを進め、重要な進展を遂げている。「青書」によると、2019年中国が開発・発射した商業衛星は40基以上となっており、100キロ以下のマイクロサットが主で、通信やリモートセンシング、技術テストなど多くの分野をカバーしている。
2020年に航天科技集団の発射回数は40回を超え、その発射する宇宙機は60基以上になる見込みで、再びその記録を塗り替えることになるとみられている。