欧州特許庁(EPO)が発表した2019年特許指数報告によると、中国のEPOに対する特許出願件数は過去最多の1万2247件で、2018年比で29.2%増加し、10大特許出願国のうち、伸び率がトップとなった。中国の特許出願件数の急増は、中国の科学技術イノベーション及び知的財産権の保護分野における大きな進歩を反映するものと分析された。人民日報が伝えた。
EPOが12日に発表した報告によると、中国のEPOに対する特許出願件数は、過去10年間で6倍に増加した。EPOのアントニオ・カンピノス長官は「過去10年間の特許出願の大きな進歩は、中国の研究開発促進におけるたゆまぬ努力を証明した。これは中国のイノベーション駆動型経済発展の力強い例だ」と述べた。
中国は2017年に初めてEPOの5大特許出願国の一つになった。中国は2019年に、米国、ドイツ、日本に次ぐ4位の出願国になった。
カンピノス氏は「中国企業は2019年に、EPOの特許出願の増加量と成長率でトップになった。中国企業のデジタル技術応用への貢献は、中国が世界技術イノベーションの駆動力の一つになりつつあることを示している」と指摘した。
中国企業が提出した特許出願はデジタル通信、コンピュータ技術、電機設備、エネルギーに集中している。うちデジタル通信は全体の26%を占め、2018年比の伸び率は64.6%に達した。
報告はさらに、世界企業特許出願ランキングを発表した。中国の華為(ファーウェイ)が3524件で首位になった。中国企業がEPOのトップになるのは史上3回目。
ファーウェイはデジタル通信分野で最大の特許出願企業だ。OPPO、阿里巴巴(アリババ)、小米(シャオミ)、百度、京東方などの中国企業の特許出願件数も急増の流れを呈している。
本部をベルギー・ブリュッセルに置く中欧デジタル協会ディレクターのクラウディア・ウェノティ氏は、「中国企業の特許出願件数の急成長は、中国がイノベーションの波を巻き起こし、特にデジタル技術分野で顕著なイノベーションの成果を上げたことを示している。中国はもはや世界の科学技術競争の追随者ではなくなり、多くの分野で伝統的な科学技術強国と肩を並べている。一部のハイテク分野ですでに世界トップになっている」と述べた。
ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)管理・戦略イノベーション学部のレインヒルデ・ボーグラース教授はインタビューで、「特許出願件数は業界内で、一国の科学技術イノベーションを示す重要な指標とされている。中国のEPOに対する特許出願件数は過去10年で急増したが、これは中国の科学技術イノベーションにおける大きな進歩を反映している」と述べた。
世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表した2019年グローバルイノベーション指数によると、中国の順位は4年連続で上昇し、2018年の17位から14位に浮上した。中国は中等所得経済体のうち唯一トップ30に入った国で、そして各分野でイノベーションの高い実力を示している。自国民の特許数、自国民による工業製品意匠数、自国民による商標数、ハイテク純輸出高及びクリエイティブ製品輸出などの指標で上位につけている。
WIPOの統計によると、中国国家知的財産権局が2008年に受理した国内特許出願件数は米国の約半数だった。2017年には130万件を受理し、米国の2倍以上となった。これについてWIPOのフランシス・ガリ事務局長(当時)は「中国の特許出願件数は驚くほど多い。これは世界イノベーションセンターが西から東に移動しつつあることを反映している」と述べた。
中国が短期間内に科学技術イノベーションで重大な進展を実現できたのは、主に中国政府の力強い実行力によるものだ。計画を打ち出すと直ちにこれを実行に移すことができ、この点からも中国の体制の優位性を見て取れる。「中国はイノベーション型国家の建設を加速している。中国の各業界におけるイノベーションの活力は目を見張るものがある」。