2020年04月20日-04月24日
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米国の研究所が新型コロナの発生源か 中国の科学者がコメント

2020年04月24日

 23日に開かれた国務院共同感染対策メカニズムの記者会見において、記者から「海外メディアの最近の報道によると、米軍はメリーランド州のフォート・デトリック基地にある生物化学兵器研究所を再稼働させ、情報を知った多くの住民が現地を離れ始めている。数多くの証拠から、昨年8月に緊急閉鎖された原因について不審な点が多い同研究所は、新型コロナウイルスの発生源で、米国で秋と冬のインフルエンザの大流行を引き起こし、その後ウイルスが武漢市で開かれた世界軍人運動会に参加した米国の軍人を通じ中国で変異し、再び大流行した可能性が疑われると米国で指摘する声が上がっている。この問題についてはどう考えているか」という質問があった。中国新聞網が伝えた。

 中国科学院微生物研究所の施一研究員は、「ネット上の関連情報に留意している。米国では、同研究所が新型コロナウイルスの発生源ではと疑われている。米国側はこれについて公にコメントしておらず、我々は判断を下すことができない」と述べた。

 施氏は「ウイルス発生源の特定は科学の問題で、類似する感染症の人類社会への危害の再発防止を主な目的としている。世界各国の科学者は現在、ウイルス発生源の研究を展開しており、それについて多くの学術的な観点や仮説、憶測を打ち出している。中国の科学者も現在、発生源の早期特定、的を絞った感染対策に科学的根拠を提供するよう真剣に関連研究を展開している」と説明した。

 施氏は「ウイルス発生源の特定に関する科学研究の全過程を見ると、これは科学の難題であり、長い時間を必要とし、不確実性が存在する。多くの生物学情報及び疫学的証拠を集め、相互に証明しあう一連の証拠群を形成してはじめて、真に任務を完遂することができる」と指摘した。

 施氏は「人類の疾病の歴史を見ると、エイズ、SARSなど数多くの疾病の発生源を特定するためは十数年、さらには数十年の研究を経ている。進展はあるものの、研究結果は推測に過ぎず、最終的な答えは導き出されていない。研究は現在も続けられている」とも指摘した。

 施氏は最後に「新型コロナウイルスによる感染症が現在、世界で猛威を振るっている。世界各国がエネルギーと注目点を感染対策の重点活動に集中させることを願う。ウイルス発生源の特定という科学の難題は、各国の科学者による研究の掘り下げが必要だ」と述べた。

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