中央テレビニュースの報道によると、新型コロナウイルス感染症の流行により新鮮な竹を十分に入手できなくなったことから、カナダ・アルバータ州最大の都市であるカルガリーの動物園は返還期限を2年早め、ジャイアントパンダの「大毛」と「二順」を中国に返還することにした。科技日報が伝えた。
「竹やタケノコはパンダの主食で、私たちの米のようなものだ。新鮮で十分な量の竹は、パンダの飼育で最も重要だ」。ある匿名のパンダ飼育員によると、パンダの消化器系は肉食動物と似ているが、食べ物の99%は竹だ。パンダ1頭の1日当たりの食事時間は10時間ほど。飼育パンダは低山の竹を主食とし、これに少量の濃厚飼料、果物及びビタミン、微量元素などを補助とする。同時にパンダの異なる年齢層の食事構造の特徴や個体差に合わせて合理的に組み合わせる。十分な竹がなければパンダは栄養不良になる。
調査研究によると、パンダは本当に「食べ物の好き嫌いが激しい」。パンダが食べる竹は摂食竹と主食竹に分かれる。摂食竹はパンダの日常的な摂食対象だ。主食竹はパンダの「メインの食糧」だ。四川省林業・草原局の昨年の調査によると、四川省全体の竹の種類は216種あるが、パンダの摂食竹となるのは32種しかない。そのうちパンダが最も摂食を好むのは冷箭竹と缺苞箭竹で、パンダの食べ物の7割前後を占める。その原因として、この2種の竹は水分が豊富で、食感がよく、適応力が高く、広く分布しており成長ペースが早く、パンダに十分な食料を提供できることが挙げられる。モニタリングによると、1頭の成年パンダは1昼夜で少なくとも15−20キロの竹を食べる必要がある。
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の研究員は長年の研究により、パンダが主に竹のデンプン、ヘミセルロース、ペクチンなどからエネルギーを摂取していることを明らかにした。なぜ竹を選ぶのかというと、第1に、屋外では他の食べ物と比べ広く分布しており、入手しやすいからだ。パンダと食べ物を奪い合う競争者は少ない。第2に、その他の木本植物と比べると、竹に含まれるデンプンが相対的に豊富だ。第3に、季節の移り変わりにより竹の各部位に含まれるデンプンの量も変化する。例えば春・夏であればパンダはタケノコを好み、秋は葉っぱが主食になり、冬は茎が主食になる。