中国の研究者がこのほど、英ネイチャーメディシン誌に発表した研究によると、彼らが重慶市で調査を行ったところ、新型コロナウイルス感染者が完治してから、体内の抗体が急速に減少する。また無症状感染者の免疫反応は症状のある感染者よりも弱いことが分かった。新華社が伝えた。
一部の新型コロナウイルス感染者には軽度から重度の呼吸器疾患が見られ、発熱、咳、息切れなどの症状が含まれる。しかし検査で陽性反応が出たにも関わらず、無症状、もしくは症状が非常に軽い感染者もいる。これらの感染者の臨床上の詳細な点についてはまだ不明な点が多い。
重慶医科大学の学者が率いるチームは重慶市で新型コロナウイルス感染者の追跡研究を行った。研究対象は285人の感染者で、うち37人の無症状感染者が含まれた。これにより新型コロナウイルス無症状感染者の臨床上及び免疫学的特徴を体系的に分析した。
調査によると、退院後2カ月で感染者の約9割の抗体が平均で70%以上も減った。
このほか、一部の無症状感染者は、実際には肺の炎症を起こしていた。無症状感染者のウイルスのリボ核酸(RNA)が剥がれ落ちる時間は症状のある感染者よりも長かった。無症状感染者は急性感染期であっても回復期であっても、血清のIgG抗体が症状のある感染者より明らかに少なかった。その免疫反応は症状のある感染者よりも弱かった。
研究者によると、今回の発見は新型コロナウイルス感染者が完治後に再び感染する可能性を示している。一部の国は完治者に「免疫証書」を発給する対策プランを検討しているが、これには潜在的なリスクがある。ワクチン及び有効な薬品が開発されるまで、引き続き効果的な公衆衛生干渉手段を講じるべきだ。同時に新型コロナウイルス感染の大規模な血清調査も早急に始めるべきだという。