2020年06月22日-06月26日
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ユーザーの違和感を察知、AIカスタマーサービスが命を救う

2020年06月24日

 「一気に丸一本飲んだら、まだ生きられるか」。広東省のユーザーが某ショッピングプラットフォームの第三者薬局に問い合わせた際に、このようなメッセージを残した。スマート感情カスタマーサービスは速やかにユーザーの言葉に含まれる違和感を察知し、自動的に警報を出した。そして、危機対応専門スタッフがその後速やかに介入し、ユーザーにオンラインメンタルケアを行うと同時に、すかさず業者側に状況を伝え出荷を遅らせた。また業者側に対して、当該ユーザーのその後の注文状況に注意するよう促した。1時間以内に人命救助に成功した。科技日報が伝えた。

 ネット通販などの商業活動が一般化し、文書を基本テキストとするインスタントメッセンジャーがネット上の主要な交流方法の一つになっている。人の心と意図を理解し人の言葉を話すロボットを作ろうとすれば、感情を読み取った反応を提供することがますます重要になってきている。

 京東AI(人工知能)研究院アルゴリズム科学者の呉友政氏は取材に応じた際に、「スマート警報メカニズムはマンマシン連動のリスク管理メカニズムだ。例えばAIはショッピングサイトの全プラットフォームの大量の問い合わせデータをリアルタイムで分析し、ECでよく見られる高リスクのクレーム、問い合わせ、フィードバックに重点的に備える。これには過激な感情や発言などが含まれる。関連リスクが見つかり次第、各種リスクの特定管理チームにリアルタイムで警報を出す。チームのメンバーは事故レベルに基づき各レベルのルートで上部に報告し、関連する管理措置などを講じる」と説明した。

 呉氏は、「スマート警報システムは音声・意味の技術、ディープな自然言語理解、データ蒸留・知識マップ、多モードマンマシンインタラクションなど一連の技術に基づき構築された」と述べた。

 広州市社会科学院産業所副研究員の陳峰氏は「スマート音声は最も早く実現されたAI技術だ。業界のデータ資源の蓄積、ディープラーニングアルゴリズムの進歩、及びその他のAI技術との統合に伴い、音声認識、意味理解、音声合成技術がさらなる突破を実現する」と述べた。

 AIが感情を認識するためには、言語の表面的な意味を理解するだけでなく、潜在的な深い意図をさらに読み取らなければならない。AI技術に一定の認知力を持たせるためには、まず常識マップと概念マップを構築し、機械に一定の知識を備えさせる必要がある。清華大学コンピュータ学部教授の唐傑氏は「未来の真のAIにとって、知識マップは非常に重要だ。世界に動的な常識知識バンクがあると仮定すれば、すべてのAIシステムがこれを利用できれば、AIの重要な節目が訪れる」との見解を示した。

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