2020年07月06日-07月10日
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三峡発電所で今年初のフル稼働状態続く、1日平均発電量は約4億kWh

2020年07月08日

 三峡集団が長江主流に設置している4つのカスケード式発電所(三峡、葛洲◆、渓洛渡、向家◆水力発電所。◆は土へんに覇)の発電機82基がこのほど、今年初めてフル稼働となり、総出力が3953万kWに達し、経済・社会の質の高い発展にクリーンエネルギーの原動力のサポートを提供した。このうち三峡水力発電所の発電機34基は6月21日、一足先にフル発電・送電となっており、1日平均の発電量は4億kWh近くに達していた。人民日報が伝えた。

 三峡集団の関係責任者によると、三峡集団長江電力は新型コロナ感染症の影響を克服し、発電機年間検査・修理及び複数の重要設備の改造を速やかに完了し、発電所の設備の安全に関する洪水対策、「長期間・全負荷・連続的」な稼働の準備を十分に整え、経済回復に力強く信頼性の高い「電力エンジン」を提供するという。

 統計データによると、中国経済の運営秩序は最近、正しい軌道に戻っており、一部の工業実物量指標が著しく回復している。電力消費量を見ると、5月の全社会電力消費量は前年同月比4.6%増で、伸び率は前月比で3.9ポイント増となった。工業向け電力消費量の伸び率は前月より上がり、サービス業向け電力消費量はマイナスからプラスに転じた。

 長江電力カスケード管理センター長補佐で、水資源部(省)部長の鮑正風氏は、「電力網は4つのカスケード式発電所の発電量を受け入れられる。これは経済活動再開のペースが上がり、電力消費量の需要拡大をけん引していることを意味し、経済回復のシグナルを発している」と述べた。

 三峡発電所の電力供給範囲は湖北省、湖南省、江西省、河南省、広東省、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、重慶市の10省・市で、昨年通年の発電量は968億8000万kWh。

 三峡集団の関係責任者によると、三峡発電所の発電機34基の今年初のフル稼働・発電・送電時期は例年よりやや早いが、これは主に川上から流れてくる水や洪水対策などの要素を総合的に考慮したものだ。今夏の厳しい洪水対策情勢を受け、三峡集団長江電力は国家水害・干ばつ対策総指揮部及び長江水害・干ばつ対策総指揮部の調節と指示を厳格に実行し、三峡ダムを中心とするカスケード式ダムの共同調節を積極的に展開し、洪水対策予備容量を十分に利用して洪水を食い止め、ピーク値を引き下げてピークをずらすことで、長江流域の洪水対策の安全、人々の生命・財産の安全を保証する。

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