2020年07月13日-07月17日
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中国の洪水対策の「神器」を総まとめ

2020年07月15日

 3月28日に出水期に入ってから、中国の南方地域で深刻な水害が発生している。特に6月以降、西南地域から長江中・下流地域にかけて深刻な水害が発生し、洪水対策では非常に厳しい情勢となっている。

 その一方で、出水期に入ってからの中国全土の水害被災者は過去5年間の同期と比べ9%減少している。死者・行方不明者は51%減、家屋倒壊は70%減、直接的経済損失は13%減。主要被災指標・データが低下した裏には、近年の中国の洪水対策・災害救助設備の進歩、能力の向上があった。

◆モニタリングの強力な道具

 1.ドローン

 いち早く被災地のリアルタイムの状況を把握することが、緊急災害救助活動のスピーディーな方針決定、展開の前提条件だ。ドローンは柔軟で機動性の高い飛行性能、効率的でスムーズな映像伝送能力により、人がたどり着けないエリアのモニタリング活動の最良の選択肢になっている。各省(自治区・直轄市)は現在いずれも、洪水・台風対策でドローンを大規模に活用している。

 湖南省は現在、ドローンを使い洞庭湖の洪水対策検査を行っている。このドローンの遠隔操作距離は15キロで、高度200メートルから地上の草木を鮮明に写す超高画質カメラを搭載している。このドローンは1分で十数キロ巡航できるが、従来の船による巡航ならば約30分かかった。

 ドローンはモニタリングし警報を出すほか、救命器具を投下でき、後続の船による救助の貴重な時間を稼ぐ。

 2.北斗高精度土砂災害モニタリング警戒システム

 湖南省常徳市石門県の雷家山で6日午後、大規模な山崩れが突如発生した。瞬時にして約300万立方メートルが崩れた。幸いにも、山崩れ発生前に北斗高精度土砂災害モニタリング警戒システムが警報を出し、すべての人が速やかに避難していた。

 3.GRAPESエリアデータ予報システム

 中央気象台の陳濤首席予報士によると、大雨は災害を引き起こす一歩目で、中小の河川の洪水、山津波、土石流、都市部及び畑の冠水といった多くの二次災害は、大雨との関連性が高い。

 中国気象局が独自開発したGRAPESエリアデータ予報システムはアップグレード後、分解能3キロの3時間間隔のスピーディーな循環同化予報を実現した。短時間内の予報業務能力を一層高め、局地的な活発な対流活動、特に災害を引き起こす異常気象のデータ予報の需要を満たす。

◆危険排除の強力な道具

 1.大出力「竜吸水」移動排水ポンプ車

 都市化の建設に伴い、都市部の冠水問題が日増しに顕在化している。「都市で海を眺める」現象が時折発生している。大出力「竜吸水」移動排水ポンプ車は、都市の市政マンホール、地下道、地下車庫などの環境における排水に特に適している、掛け値なしの排水の強力な道具だ。

 2.組立型洪水対策ウォール

 組立型洪水対策ウォールは土嚢よりも楽に、スピーディに組み立てることができる上、安全かつ頑丈で、水が漏れにくい。

◆救援の強力な道具

 1.ロボット

 小型ボートのように見える水上救助ロボットは、コントローラーで操作できる。激流の中で速やかに落水者の近くに駆けつけることができる。レスキュー隊員と比べると、水上救助ロボットはより高速だけでなく、一度に救助できる人数も多い。200キロ以上まで人を乗せることができる。落水者は両側のロープをつかむか、その上で身を伏せることができる。

 他にも産業用水中ロボット、ケーブル制御水中ロボット、小型水中観測型ロボット、排水トンネル観測ロボットなどは遠隔操作により、河川及び貯水池の水中の状況、ダム及び排水トンネルなどの水利施設の内部などを調査し、リアルタイムで映像を撮影できる。水中救助、プロジェクトリスク排除、治水プロジェクト緊急処置に方針決定の根拠を提供する。

 2.新型ソナー及び通話設備

 これらの設備があれば、水中救助には「千里眼」と「順風耳」が備わるようになる。応急管理部(省)緊急指揮専員の張家団氏によると、3D水中ソナースキャナー及び水陸双方向通話潜水設備があれば、レスキュー隊員は水中の捜索救助で正確に水中構造や物体などのデータを把握できる。潜水士の水中調査のリスクを効果的に下げると同時に、水上の人と効果的な通話・連絡を可能にし、救助情報及び指示を速やかに伝えることが可能だ。

 3.水陸両用車

 泥沼、浜辺、岸辺などの複雑な地形を走行できる水陸両用車は、狭い水域で身動きが取れなくなっている人の救助に使用できる。柔軟性と機動性が高く、各種地形による困難を効果的に克服でき、各種地形における人・設備輸送の効率を上げる。

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