中国の古生物専門家はこのほど、山東省諸城市で保存状態が比較的良好なアンキロサウルスの腸骨の化石を発見し、アンキロサウルス科恐竜の新属新種として正式に「諸城中国アンキロサウルス」と命名した。この発見は諸城恐竜動物群の恐竜の多様性を高めた。新華社が伝えた。
諸城市恐竜文化研究センターの王克柏氏、張艶霞氏、陳樹清氏、王培業氏、山東省地質科学研究院の陸軍氏らがこのほど、国内の権威ある学術誌「地質通報」に関連研究論文を発表した。彼らは山東省諸城市の臧家荘化石層の白亜紀王氏群から採取した、保存状態が比較的良好なアンキロサウルス科の右側の腸骨の化石に基づき、これがアンキロサウルス科の新種であると判断した。古生物専門家は「諸城中国アンキロサウルス」と命名した。
諸城は中国の最も重要な白亜紀後期の恐竜の化石の産地で、これまでハドロサウルス類、カスモサウルス科、レプトケラトプス科、竜脚類、ティラノサウルス科、オヴィラプトロサウルス類の化石を発見していた。化石の埋蔵面積は1600平方キロメートルに達している。旧中国地質部(省)の研究者が1964年8月に諸莱盆地を調査した際に初めて恐竜の化石を発見した。これにより、諸城恐竜化石群のヴェールが徐々にはがされた。
諸城地区で発見された恐竜の種は、北米で発見された一部と非常に類似している。山東諸城地区のハドロサウルス科の恐竜「山東竜」と北米のエドモントサウルスの間には緊密な親縁関係がある。諸城臧家荘化石層で見つかった「巨型諸城ティラノサウルス」はティラノサウルス科の大型肉食恐竜で、北米のティラノサウルスと近親の種だ。
資料によると、アンキロサウルス科は四足歩行の草食恐竜で、鳥盤目に属する曲竜類だ。アンキロサウルスが最も早く出現したのはジュラ紀前期から中期にかけてで、白亜紀後期に最も繁栄した。
副研究館員の張艶霞氏によると、諸城中国アンキロサウルス属恐竜群のうち最後に絶滅した「諸城中国アンキロサウルス」の発見は、諸城恐竜動物群における恐竜の多様性を高め、北米地域の白亜紀後期の大型恐竜と肩を並べた。白亜紀後期の恐竜動物群間の相互関係の研究に対して重要な価値を持ち、恐竜の生活シーンのさらなる復元により多くの根拠を提供した。