2020年11月16日-11月20日
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「長征5号遥」がスタンバイ、「嫦娥5号」が間もなく月へ

2020年11月18日

 「長征5号遥」キャリアロケットと「嫦娥5号」探査機が17日、文昌航天発射場(海南省)で技術エリア最終組立試験を終え、垂直方向のまま打ち上げエリアに輸送された。今月下旬にタイミングを見計らい打ち上げられる。嫦娥5号の目標は、月で試料を採取し地球に帰還することだ。中国初の月試料採取・帰還任務により、月探査事業重大科学技術特定プロジェクト「周回、着陸、回収」3ステップ発展戦略を順調に遂行する。北京青年報が伝えた。

 今回の任務では長征5号シリーズの2回目の応用的打ち上げとなる。これまで、中国初の火星探査任務を遂行する「天問1号」探査機の打ち上げに成功している。

 中国の月探査事業は2004年に立ち上げられ、「周回、着陸、回収」3ステップ発展戦略計画が決定された。嫦娥1号から4号までの任務の成功により、同戦略の1歩目と2歩目が順調に遂行された。嫦娥5号の任務は中国の月探査事業の6回目の任務に当たる。月面での自動試料採取・帰還を実現し、月の成り立ちや変化の歴史などの科学研究を掘り下げる予定だ。これは中国の現在までの宇宙分野で最も複雑で、難易度が最も高い任務の一つだ。今後の月及び惑星探査などの任務に向け、人材、技術、科学、工学の基礎を固める。また人工衛星や有人宇宙飛行の成功に続く、中国の宇宙事業発展の新たな一里塚となる。

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