北京冬季五輪組織委員会はこのほど、全面的に「グリーン、共有、開放、廉潔」という五輪の開催理念を全面的に実行し、「持続可能・未来志向」のビジョンを貫き、大会の環境へのプラスの影響を示すため、北京冬季五輪で生分解性食器を使用すると発表した。科技日報が伝えた。
清華大学生命科学学院の陳国強教授によると、産業バイオテクノロジーは主に持続可能型の農産物、例えばデンプン、脂肪酸、繊維素などを原料とし、燃料、化学品、薬品などを大量生産する。そのうちPHA(ポリヒドロキシアルカン酸)、PLA(ポリ乳酸)、PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)は生分解性材料分野の成長の主な駆動力であり、世界で生産量が最も多く、使用範囲が最も広く、コストパフォーマンスが最も高く、石油から作られるポリエステルに最も近い生分解性材料だ。
PHAを例にすると、陳氏のチームは3年前に無殺菌開放連続発酵製品の低コスト量産能力を実現した。バイオマスを原料とし、微生物の発酵により生み出される生分解性プラスチック製品を利用し、石油製のプラスチックの代替品となり、「白い汚染」を解消する。「微生物を加えることで、生分解性プラスチックや繊維などの廃棄物が水とCO2に変化し、光合成を受け再び自然界に戻る」
生分解性材料は高い生物安全性、生分解性、環境配慮性、良好な力学的性能、加工・成形が容易といったメリットを持ち、バイオ医用高分子、紡績業、農業用ビニール、包装などの業界で高い将来性を持つ。中国の生物由来の材料は近年、毎年20−30%のペースで成長しており、工業規模化と産業化の段階に徐々に進んでいる。
陳氏によると、チームは12年前の2008年北京五輪にすでに技術・原料のサポートを提供し、食器の「グリーン化」を実現していた。組織委員会は今回「持続可能・未来志向」のビジョンを貫き、再びこの「小さな問題」を「大きな行動」に収めた。このことから、グリーンな発展の理念が、中国の各方面に持続的に浸透していることが分かる。
陳氏は「北京冬季五輪を機に、分解可能な食器やその他の環境保護消耗品を再び推進することで、世界範囲で人々の観念と行動の変化を促すことができる。これは環境に対する極めて大きな貢献だ」と述べた。