中国初の火星探査任務を遂行する火星探査機「天問1号」が目的地に近づいている。国家航天局が3日に明らかにしたところによると、天問1号の現在までの総飛行距離は4億5000万キロメートル以上で、地球から約1億7000万キロメートル離れている。今月10日ほど(旧暦の大晦日前後)に火星接近時の減速(俗に言うブレーキをかけること)を行い、火星周回の旅を始める見通しだ。中国青年報が伝えた。
中国は2020年7月23日、文昌航天発射場で「長征5号遥4」キャリアロケットを使い「天問1号」を打ち上げ、独自の惑星間探査の一歩目を踏み出した。計画によると、今回の火星探査任務は火星の周回、着陸、火星表面の巡回・探査を行う。総質量約5トンの「天問1号」には周回モジュールと着陸・巡回モジュールがあり、うち後者には突入カプセルと火星ローバーがある。
火星に向かう旅を開始してから、「天問1号」は地球と月の同時撮影、探査機の「自撮り」、3回の途中修正、軌道操縦、ペイロード自主点検などの活動を終えている。探査機は現在姿勢が安定しており、各システムが正常に稼働している。「天問1号」は火星接近時の減速を行ってから、約2カ月半にわたる火星周回の旅を開始する。着陸エリアの初期段階の探査を行い、気候条件が良好な時期に着陸を実施する。着陸エリアは火星の北半球のユートピア平原。
中国航天科技集団第五研究院の「天問1号」の専門家は取材に、「火星探査任務は技術の難易度が極めて高い。地球と火星の間の距離は最長で約4億キロメートルにのぼり、通信で20分以上のタイムラグが生じる。さらに火星は大気が薄く、地形が複雑で、探査機が火星接近時の減速を行い、緩衝着陸などの段階にリスクが存在する。これまで複数の国が火星探査任務を実施してきたが、成功率は約50%しかない」と述べた。