中国科学院高エネルギー物理研究所が2日に明らかにしたところによると、中日協力チームは中国の西蔵(チベット)羊八井ASγ実験により、地球から2600光年離れた超新星の遺跡「SNR G106.3+2.7」から放出された100TeVを上回るガンマ線を世界で初めて発見した。これらのガンマ線はこの超新星の遺跡における衝撃波によりPeV(地球上の人工加速器の最高エネルギーの100倍)領域まで加速された宇宙線と付近の分子雲の衝突によって生まれた可能性がある。関連の観測結果は科学誌「ネイチャー・アストロノミー」に掲載された。北京日報が伝えた。
チベット中日協力ASγ実験は標高4300メートルのチベット羊八井に位置し、1989年に建設が始まった。中国科学院高エネルギー物理研究所、中国科学院国家天文台など中国側の12の協力機関及び日本の東京大学宇宙線研究所など日本側の16の協力機関が参加。中日協力ASγ実験チームは2014年に、既存の宇宙線表面配列の地下に地下ミュー粒子水チェレンコフ探査装置を増設した。表面と地下の探査装置配列のデータを総合的に利用し、宇宙線の背景のノイズを99.92%カットし、ガンマ線探査の感度を大幅に上げた。中日協力チームは今回、2年間の効果的な観測により、上述した超新星の遺跡の方向から、100TeVを上回る超高エネルギーガンマ線を観測した。