2021年05月10日-05月14日
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中国初のカーボンニュートラルごみ分別小屋、CO2排出量を15トン削減

2021年05月12日

 成都市都市管理委員会が11日明らかにしたところによると、今年1月14日に中国初のカーボンニュートラルごみ分別小屋が成都市で稼働開始した。運営業者によると、最近4カ月のデータを見ると、1-2カ月目の1回当たり回収したごみの量が以前より4割前後増えている。現在の1日当たりの回収量はすでに200-300キログラムにのぼっている。今月10日時点で、この小屋のカーボンニュートラルデータ(CO2排出削減量)は15.282トンにのぼっている。成都商報が伝えた。

 小屋に入ると、正面は枠で布類、ガラス、プラスチック、金属、古紙の5つのエリアに分かれている。積み上げられたリサイクルごみのほか、入って右側には秤とテーブルがある。この小屋の運営業者の関係職員によると、ごみ分別とカーボンニュートラルをつなげるのはこの秤だ。この秤は重さを計量できるだけでなく、リサイクルごみに対応するカーボンニュートラルデータの計算もできる。例えば0.4キログラムのガラス瓶と1.6キログラムのボール紙に対応するカーボンニュートラルデータはいずれも0.001トンとなる。

■1炭素マネーは1元に相当

 「廃品回収で得られた分を直接現金化できる。カーボンニュートラルの量を炭素マネーに換算し、携帯アプリで商品を購入するか、100炭素マネー貯めてから現金化することができる。100炭素マネーはカーボンニュートラル1トン分だ。1炭素マネーは1元(約16.9円)に相当する。ごみ分別を通してより多くのリサイクルごみを再利用し、100炭素マネー貯まると100元に現金化できる」。

 取材した職員の携帯電話に表示されたカーボンニュートラル総量は0.372トンで、37.2炭素マネー分になっていた。この量は、自動車の465キロメートルの走行分、または0.744トンの石炭燃焼量、もしくは372kWhの電力消費量に相当する。同職員は「人が呼吸すると炭素を排出する。ごみ分別によりリサイクルごみを再利用でき、カーボンニュートラルデータに換算する。当該行為で減少した炭素排出量により、自身の各種活動による炭素排出量の一部を相殺できることからカーボンニュートラルと呼ばれる。分かりやすく言うとCO2排出の埋め合わせをすることだ」と述べた。

 同職員はさらに「ごみ分別のほか、携帯アプリでカーボンニュートラル関連のクイズに答えるなどして、ポイントを蓄積できる。ポイントもまた、カーボンニュートラルデータに変換できる。リサイクルごみの現金化と同時にカーボンニュートラルデータのボーナスが加算される。ごみ分別の積極性を高める一方で、カーボンニュートラルの概念を直観的に理解してもらうことができ、より受け入れやすい形により人々の固有の習慣を変えることができる」と述べた。

カーボンニュートラルごみ分別小屋

カーボンニュートラルを計算する秤

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