2021年08月23日-08月31日
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火星探査車「祝融号」が火星で100日走行、現在のコンディションは?

2021年08月31日

 中国初の火星探査任務は5月15日に火星への着陸に成功した。火星探査車「祝融号」は5月22日に安全に着陸プラットフォームを出て火星表面に到達し、巡視・探査を開始した。祝融号は8月30日現在、火星表面を100日間走行している。祝融号はこの100日で着陸エリアから南の方向に計1064メートル走行し、6台の科学ペイロードで10GBの生データを取得した。火星探査車は現在コンディションが良好、エネルギーが十分で、より豊富な科学探査データを取得するため、引き続き着陸エリアから南の古代陸海境目の方向に走行する予定だ。人民日報が続いた。

■計1064メートル走行も、現在コンディション良好でエネルギーも十分

 祝融号の設計寿命は90火星日(地球の92日に相当)だ。中国初の火星探査任務探査機システムチーフデザイナーの孫沢洲氏によると、探査機「天問1号」の火星着陸後、祝融号は徐々に活動状態を整え、状態検査と環境確認を終えたあと5月22日に火星表面に到達し、巡視・探査を開始した。祝融号は現在、巡視エリア現地の夏を迎えており、気象環境が良好だ。火星探査車に搭載されているペイロードがすべて電源オンで探査を行っている。

 孫氏は火星探査車のパフォーマンスについて「非常に優秀だ」と評価した。「火星探査車は今回、熱制御の面でも一部の新技術を採用した。例えば太陽集熱器により太陽エネルギーを熱エネルギーに変換し、火星探査車が火星の表面で、特に夜の時に比較的理想的な温度を保てるようにした。現在の運営状況を見ると、我々の予測と非常に一致している」と孫氏。

 中国初の火星探査任務探査機地上応用システムチーフデザイナーの劉建軍氏は、「祝融号にはナビゲーション・地形カメラ、マルチスペクトルカメラ、表面成分探査器、表面磁場探査器、次表層探査レーダー、気象測量器という6台の科学ペイロードが搭載されている。火星巡視・探査期間にこの6台がすべて電源をオンにする」と説明した。

 劉氏は「ほぼ毎日走行するが、主に2台の科学ペイロードが活動する。一つは次表層探査レーダー、もう一つは気象測量器で、走行しながら探査できる。その他の4台の科学装置は火星探査車が停車し、その場での探査を行う際に電源をオンにし、探査を行う。現在まで6台の科学装置が合計で約10GBの生データを取得している」と述べた。

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