中国は14日午後6時51分に太原衛星発射センターで「長征2号丁」キャリアロケットを使い、1基目となる太陽探査科学技術試験衛星「羲和号」を打ち上げ、中国の太陽探査の無から有への突破を実現した。これは中国が正式に太陽探査の時代に入ったことを示している。科技日報が伝えた。
羲和号は世界初の太陽Hα線光スペクトルイメージング探査を実現する見込みで、太陽爆発源エリアの質の高い観測データの空白を埋め、中国の太陽物理学の研究能力を強化し、中国の宇宙科学探査及び衛星技術の発展に対して重要な意義を持つ。
Hα線光スペクトル探査・ダブル超プラットフォーム科学技術試験衛星という正式名称を持つ羲和号は、高度517キロメートルの太陽同期軌道を周回し、主要ペイロードは太陽宇宙望遠鏡。
衛星は軌道上を周回中、太陽フレアとコロナ質量放出の光球及び彩層の状況を観察し、太陽爆発源エリアの動的特徴と触発メカニズムを追究する。同時に暗条の形成と変化プロセスの彩層の振る舞いを探査し、その太陽爆発との内在的な関連性を明らかにする。さらに太陽全表面のHα線ドップラー速度分布を取得し、太陽低層の大気動力学的プロセスを研究し、「太陽爆発の内側から表面へのエネルギー伝達の全プロセスの物理モデル」などの科学問題の解決に重要なサポートを提供する。
中国の太陽観測関連の論文発表数は世界2位だが、使用されているデータはいずれも海外の衛星データだ。国家宇宙局地球観測・データセンター長を務める高分解能地球観測重要特定プロジェクトチーフデザイナーの趙堅氏は、「羲和号の打ち上げ成功は、中国の同分野の受動的な局面を打破するものだ。中国は衛星データ科学委員会を設立し、データ政策を制定し、中国内外の科学者による衛星探査データの研究、使用、共有に供し、オリジナリティのある科学成果の創出を目指す」と述べた。