喉や鼻に綿棒を入れる必要がなく、24時間待つ必要もない。小さい袋の中に息を30秒吹き込むと、5−10分で新型コロナウイルスの検査結果が出る。中国の科学者たちの努力により、このような技術がもはや夢物語ではなくなった。科技日報が伝えた。
このほど国際的な学術誌「Respiratory Research」にオンライン掲載された論文によると、北京大学環境学院の要茂盛教授のチームと北京市朝陽区疾病予防管理センターなどのチームが協力し、呼気のサンプル採取、ガスクロマトグラフィー・イオン移動度分光法検査、機械学習モデルを集積し、新型コロナウイルス感染の無侵襲呼気揮発性有機物構成指紋スクリーニングシステムを開発した。同システムは国家発明特許に出願済みだ。
要氏はこの技術の原理について、次のように説明した。エネルギー消費方式の変化により、新型コロナウイルス感染者の呼気の化学成分が異なることがある。実験によると、新型コロナ感染者とその他の呼吸器疾患患者の呼気のプロパノール濃度は健康な被験者を大きく上回る一方で、新型コロナ感染者の呼気のアセトン濃度はその他の呼吸器疾患患者と健康な被験者を大きく下回る。研究チームは異なる対照チームの呼気検体及びその背景の環境の空気を結びつけ分析を行い、12種の鍵となる内因性VOCs(揮発性有機化合物)マーカーを識別した。これらのマーカーは新型コロナ感染者をスクリーニング・識別する唯一無二の「指紋」で、健常者及びその他の呼吸器疾患患者と区別できる。
既存のデータモデルによると、検査の特異性と感度は95%以上にのぼる。PCR検査と比べると、シンプルで時間がかからず、非常に経済的だ。