2021年11月08日-11月12日
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データで見る中国の排出削減の貢献

2021年11月10日

 世界最大の発展途上国である中国は、わずか30年の時間でCO2(二酸化炭素)排出強度における世界最大の下げ幅を記録し、史上最短でCO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラルを実現しようとしている。このように中国の目標は大きな志を示している。新華社が伝えた。

 データは嘘をつかない。中国の排出削減の世界への貢献は周知の通りだ。これは中国が非常に厳しい取り組みを行っていることを意味し、また中国の気候変動問題における大国としての責任感を十分に示している。

 ◆30年 史上最短

 先進国は過去200年以上の産業化において無秩序な排出を行っており、世界の気候変動に対する歴史的責任を免れることができない。これは国際社会の普遍的な共通認識だ。なかでも米国は温室効果ガス累計排出量が世界最大で、1人平均のCO2排出量は世界平均水準の3.3倍となっている。その一方で製造大国である中国の1人平均CO2排出量は現在米国の半分にも満たず、1人平均の過去累計排出量は米国の約8分の1だ。データによると、米国の温室効果ガスの排出量の過去最高値は1人平均23.44トンで、2018年は16.85トンだったのに対して、中国の排出量は7.56トンであった。

 世界の主要先進国はすでにCO2排出ピークアウトを実現している。英、仏、独及びEUは70年代にすでに実現しており、米国は2007年、日本は2013年に実現。しかもこれらは発展段階が進み、CO2排出量の多い産業の移転による「自然なピークアウト」だ。

 中国は昨年9月22日、国による自主的な寄与度を向上させ、2030年までのCO2排出ピークアウト、2060年までのカーボンニュートラルの実現を目指すと表明した。各国が現在まで発表している目標によると、CO2排出ピークアウトからカーボンニュートラルまでにかかる時間はEUが71年、米国が43年、日本が37年となるが、中国はわずか30年という期限を設定した。

 中国の解振華・気候変動担当特使は国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の会見で、「気候変動問題は単なる気候変動問題ではなく、国の経済・社会・環境・雇用などの各方面と緊密に結びついている系統的な取り組みだ。系統的な経済・社会の変革によって初めてこの目標を達成できる」と述べた。

 ◆50%以上 世界の排出削減に貢献

 CO2排出ピークアウト及びカーボンニュートラルの目標を達成するため、中国は口先だけではなく実際に行動している。世界銀行が発表したデータによると、2005年以降の中国の省エネ規模は累計で世界の半分以上を占めている。

 各国による排出削減措置には、主にエネルギーの利用効率の向上、エネルギー構造の最適化、再生可能エネルギーの発展、産業構造の調整、森林のカーボンシンクの発展などが含まれる。解氏は、「大まかに見ると、2005年から2020年までの中国の関連分野における貢献はいずれも世界全体のほぼ30−50%を占めており、世界の排出削減への貢献が顕著だ」と述べた。

 10月27日に発表された「中国の気候変動対応の政策と行動」白書によると、中国は経済・社会の持続可能で健康的な発展と同時に、CO2排出強度を大幅に下げている。中国の2020年のCO2排出強度は2005年より48.4%低下しており、2020年までに40−45%下げるという国際社会に約束した目標を上回った。CO2排出量を累計で約58億トン削減し、CO2排出量急増の局面をほぼ覆した。

 また中国の再生可能エネルギーへの投資は長年連続で世界一を維持しており、再生可能エネルギーのコストが日に日に減少している。中国はさらに多くの太陽光発電所と風力発電所を建設した。中国は新エネ車の生産及び販売の規模で6年連続世界一となっている。現在の新エネ車保有台数は約678万台で、うち電気自動車は約552万台である。

 森林のカーボンシンクの増加について、中国の森林面積と森林蓄積量は30年連続で「ダブル増」を維持し、世界で森林資源の増加が最大の国になっている。

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