2021年12月01日-12月03日
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中国と欧州の火星探査機、周回中の中継通信試験に成功

2021年12月03日

 国家航天局によると、中国の火星探査機「天問1号」が欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズ・エクスプレス」ミッションチームと協力し、火星探査車「祝融号」と周回中のマーズ・エクスプレスによる中継通信試験を実施し、無事に成功した。人民日報が伝えた。

 双方は試験前に各自の探査機に指示を伝え、試験の準備を整えた。取り決めていた時間に祝融号がマーズ・エクスプレスに試験データを伝送した。通信距離は約4000キロメートル、通信時間は10分。マーズ・エクスプレスはデータ受信後、ESA所属の深宇宙測量・制御ステーションに転送した。同ステーションは受信後、欧州宇宙運用センターに転送し、後者からさらに北京宇宙飛行制御センターに転送された。中国側の技術チームがこれを解読し、データの正確性を判断した。

 データ判断・分析の結果によると、双方のミッションチームは、祝融号とマーズ・エクスプレスの中継通信設備のインターフェースがマッチし、国際基準に合致し、伝送データの内容は完全かつ正確で、試験が成功したことを確認した。双方は今後、今段階の試験を踏まえた上で、さらに科学データ中継通信の協力を展開する。

 祝融号は今月1日時点で火星の表面で196火星日活動しており、累計走行距離は1297メートルで、巡視・探査により約10GBの生の科学データを取得。燃料は十分で、コンディションも良好だ。

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