第5回中国国際輸入博覧会の技術装備展示エリアには、今回新たに人工知能(AI)専用エリアが設置され、出展する企業は26社に達したという。ここでは、メタバースのコンセプトを掲げる企業が数多くの新鮮な応用シーンを展示し、没入型体験ゾーンも特別に設置されて、来場者は自分の目や手を通じてメタバースの世界を十分に楽しんでいる。中国新聞社が伝えた。
輸入博会場内のソフトバンクの展示ブースでは、ある特別なサッカー試合が大きな注目を集めている。というのも、ピッチで戦いを繰り広げている「選手たち」がすべてロボットだからだ。
これは「ロボットのワールドカップ」と呼ばれる「ロボカップサッカー」だ。輸入博会場にいた研究者によると、「ピッチ上で、ロボットは自ら情報を感知し、識別し、移動することができる。同じ動きを、人間は音声と動作などに基づいて行うのに対し、ロボットはWi-Fi通信を通じて行い、情報を総合的に分析してから最良の判断を下す。私たちの最初の目標は、2050年にAIが人間だけで構成されたチームを打ち負かすことだ」という。
フェイスブックから社名変更した米メタ社は、初めて新ブランドとして輸入博に参加し、「Quest」ブランドのヘッドセットと体験プログラムを出展した。プログラム中の仮想現実(VR)の応用プログラムを通じて、バーチャル会議室に入ったり、離れた場所にいる同僚と顔を合わせたりできるというものだ。
このようなメタバース会議室で一緒に働く人々は、お互いの話している声が聞こえ、アバターがリアルタイムで伝える相手の実際の動きや表情を見られるだけでなく、ディスプレーの内容の共有やホワイトボードの利用、さらには「ハイタッチ」も可能で、オフラインでの会議と同じような体験ができる。
またこうしたデバイスは旅行、ゲームさらには教育研修など多くのシーンへの応用が可能だ。メタは、「輸入博のチャンスを生かして、メタバースの構想と将来の見通しを発表したい」としている。
AI専用エリアの目立つ場所に、リアルタイム3D技術の旺盛な発展のシンボルである「生命の樹」が立ち、今回が輸入博初参加となる世界的ゲームエンジン「Unity」を手がけるユニティの中国法人の展示ブースですくすくと「成長」している。大人気ゲーム「王者栄耀」などに技術的支援を提供するユニティのゲーム産業での応用はよく知られている。現在、同社の技術及びソリューション応用分野はゲームの開発にとどまらず、スマートモビリティ、スマートストア、スマートコックピットなどへと広がりを見せている。
同法人の張俊波総裁兼最高経営責任者(CEO)は、「中国には世界で最も豊富な応用シーンがあり、当社が最も重視する海外市場でもある。輸入博は今や国際舞台における中国の重要なシンボルになった」と述べた。