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中国の科学者、宇宙からの地震予測の方法を探る

2023年03月21日

 後漢時代(25-220年)の科学者・張衡が地動儀を発明してから1800年以上たった現在、中国の科学者はその名を冠する衛星を使い、宇宙から地震発生前の異常な電磁波を検出することにより、地震予測の難題を解明し、自然災害が人類にもたらす被害を軽減しようとしている。新華社が伝えた。

「張衡1号」は中国地震立体観測体系宇宙観測プラットフォームの1基目の衛星で、地球観測の広いダイナミックレンジ、広視野角、全天候型の優位性を発揮できる。世界の電磁場、電離層などのプラズマ、高エネルギー粒子の観測データを取得し、中国及び周辺地域の電離層の動的リアルタイムモニタリング及び地震予兆追跡を実施することにより、地上観測の不足を補い、地震モニタリング・予測の新ルートを模索する。

 中国科学院国家宇宙科学センター研究員と国際宇宙航行アカデミー会員で、「張衡1号」衛星計画首席科学者兼プロジェクトサブチーフデザイナーの申旭輝氏は、このほど行われた第35回全国宇宙探査学術シンポジウムで、「張衡1号はすでに世界でM7.0以上の地震を約60回、M6.0以上の地震を600回近く、M5.0級の地震を数万回観測している。現在はまだ地震予報には遠く及ばず、時間、場所、強度という3要素の正確な予報を実現できていない。地震の予報を真に実現するためには、衛星1基の単一的な手段だけではなく、地震学、電磁学、大地測量学、地球化学など複数学科の複数手段を結びつける必要がある」と説明した。

「しかし今後については期待しており、地震予報は最終的に実現できると考える。さらに10年たてば、大量の観測データを蓄積できるだろう。機械学習、ビッグデータ、人工知能などの情報テクノロジーの発展に伴い、計算能力がますます上がり、地震発生前にリアルタイムデータ処理を行えるようになる。このほか、地震学と物理学の学際的発展が必要で、超高温・超高圧の地下震源環境の研究を行う必要がある」と申氏。

 張衡1号は地震モニタリング以外に、宇宙気象活動の正確な記録者にもなる。宇宙気象災害モニタリング・早期警戒能力の形成をサポートし、通信測位環境の管理に保障を提供できる。例えば2018年8月に発生した磁気嵐は、張衡1号が宇宙に打ち上げられてから記録した最強のものだった。また火山、日食、津波、風津波、南大西洋磁気異常なども張衡1号によって正確に記録された。これはその宇宙気象災害、異常気象災害、火山活動モニタリング・早期警戒の高い将来性を示した。

 申氏は、「中国は張衡1号02衛星の打ち上げを計画している。この新型衛星は24時間連続のモニタリングを実現するとともに、観測範囲を地球の南極と北極まで広げ、地球システムの変化に対する観測能力を高めることができる。02星は01星と連携し、11年の太陽活動周期の観測を実現できる」と説明した。

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