中国が独自開発した円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡(DSRT)がこのほど、初めてパルサーの観測に成功した。四川省甘孜(カンゼ)チベット自治州稲城県にある同システムは、世界最大規模の開口合成電波イメージング望遠鏡で、年内に稼働する見込みとなっている。
同県噶通鎮にある標高3800メートル以上の山々の間には、鍋のふたのような直径6メートルのアンテナ313本が、直径1000メートルの円環上に均等に設置されている。円環の中心にある高さ100メートルのキャリブレーションタワーが、観測リンク全体に測定基準を提供する。
円環アレイは地元住民から「千眼天珠」と呼ばれており、子午線プロジェクト2期を象徴する設備の一つとなっている。国の宇宙天気研究に使われる観測ネットワークである子午線プロジェクトは、中国の重要科学技術インフラとして、2期プロジェクトが2019年に着工し、年内に完成する予定となっている。
太陽は地球から最も近い恒星で、地球や人類に光と熱をもたらし、地球上の生命を育んだ。しかし、太陽も「くしゃみ」をする時がある。これが太陽フレアで、強い時には100万トン級原子爆弾100億個分のエネルギーを放出することがある。フレアによって放出された荷電粒子が地球に向かって飛来した場合、プラズモイドが持つ大きなエネルギーが地球に重大な影響を及ぼす。円環アレイ太陽電波望遠鏡の主要任務は、太陽のリアルタイムモニタリングにより、衛星などの設備の正常な運用に対して宇宙天気警報を出し、各種設備の安全な運用を保障することにある。
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