2023年04月03日-04月07日
トップ  > 科学技術ニュース>  2023年04月03日-04月07日 >  中国の高速鉄道、1キロ当たりの電力消費量は?

中国の高速鉄道、1キロ当たりの電力消費量は?

2023年04月06日

 高速鉄道は今や人々にとって主要交通機関の一つと言える。中国には3200キロ近くに及ぶ高速鉄道網があり、高速列車「復興号」は時速350キロで運転され、中国は世界で唯一、同速度の商業運転を実現した国となっている。科技日報が伝えた。

 最近、SNSで「中国の高速鉄道は電力の消費が激しく、1キロ当たり1万キロワット時(kWh)の電力を消費する」との噂が流れた。この情報はさらに、中国の高速鉄道と日本の新幹線を比較し、後者の1キロ当たりの電力消費量が「わずか43 kWhしかない」とした。

 中国高速鉄道の公式データによると、時速350キロの高速鉄道における1時間当たりの電力消費量は9600 kWhで、時速250キロの場合は4800 kWhとなる。これに基づき計算すると、1キロ当たりの電力消費量は時速350キロが27 kWh、時速250キロが19 kWhとなる。ネット上で流れている「1キロ当たり1万kWhの電力を消費する」という主張は、時間と距離の単位の概念をすり替えたものであり、何ら事実的根拠もない。

 中国の高速鉄道は他の交通機関と比べ、電力を大量に消費するわけではなく、むしろより省エネといえる。中国国家鉄路集団有限公司の統計データによると、省エネの面では、中国の高速鉄道における1人・100km当たりのエネルギー消費量は航空機の約18%、大型バスの約50%となっている。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

バックナンバー