2023年04月17日-04月21日
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中国の原発発電量、22年は全体の約5%に

2023年04月18日

 中国核工業集団傘下、中国核能電力の盧鉄忠董事長はこのほど、取材に対し、「中国の原子力発電ユニットには世界をリードする安全運転記録がある。中国核工業集団が所属する世界原子力発電事業者協会(WANO)の総合指数で、運転中のユニット数が3年連続で世界トップレベルになった」と述べた。環球網が伝えた。

 中国大陸部で運転中および建設中の原発ユニットは77基あり、WANOが発表した世界原発ユニット総合指数ランキングで、中国は上位に入っている。22年、中国で運転中の原発ユニットの累積発電量は4177億8600万キロワット時(kWh)で、中国の累計発電量全体の4.98%となった。計画によると、中国大陸部の原発設備容量は35年には2億kW以上となり、中国全土の発電量の10~15%を占める見込みとなっている。

 盧氏は原発について「安全かつ高効率で安定し、大規模応用が可能なクリーンエネルギーである。中国のエネルギーをクリーン・低炭素化にモデルチェンジするための重要な選択肢となる」と強調。「中国が独自開発した第3世代原子炉『華竜1号』は設備容量が116万kWで、毎年100億kWh程度のクリーン発電を行う。これは中程度の先進国において、100万人分の年間生産・生活用電力の需要を満たすことができる。また、標準炭消費量312万トン、二酸化炭素(CO2)排出量816万トンの削減に相当し、7000万本の植林に換算できる。中国大陸初の原発である秦山原発が1991年に稼働してから、華竜1号の1基目が稼働するまでの累計原子力発電量は3兆3000億kWhを超えており、CO2排出量を24億トン以上削減したのに相当する」と説明した。

 CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの二つの目標を背景とし、中国の原子力事業は新たな発展のチャンスを迎えている。中国共産党第20回全国代表大会の報告では「原発を積極的かつ安全に秩序正しく発展させる」と明記された。盧氏は「中国の原子力が単一的なものから多角的サービスへと高度化するためには、独自の原発技術の安全性と経済性を持続的に高める必要がある。また、原発設備容量の安定的成長を推進し、総合的利用を促すなど、各方面の取り組みが必要になる」と語った。

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