中国江蘇省の宜興環保科技工業パークから車で30分ほど走ると、草木が生い茂る緑地に明るい白色の「三つ葉のクローバー」のような建築物が目に入る。ここには一滴の汚水もなく、嫌な匂いもせず、機械の大きな音もない。人々が抱く汚水処理場へのステレオタイプなイメージを完全に覆している。中国初の汚水資源コンセプト工場では、汚染削減、炭素削減、資源リサイクルの能力を発揮していた。科技日報が伝えた。
宜興汚水資源コンセプト工場水質浄化センターでは、1杯のコーヒーが記者の目を引いた。職員は「これは汚水処理した水で淹れたものだ」と説明した。
都市の汚水が工場に入ると、その一部は砂や炭素、ナトリウムの濾過、逆浸透などの流れを経て、直接飲める「永続水」に変身する。三峡集団長江生態環境保護集団党委副書記の劉想華氏は取材に対し、「ここの出水検査は生活飲用水国家基準を満たし、安心して飲むことができる。高効率極限脱窒などの先進技術のサポートを受け、1リットル当たりの窒素含有量が3ミリグラム未満、正リン酸の濃度が0.1ミリグラム未満となっており、新汚染物質除去率80%の汚水処理効果を実現した」と述べた。
都市生活汚水がパイプから同工場に入った後、浄化により生じた汚泥も資源化利用される。汚泥に含まれる作物の茎や生ゴミ、悪臭がする藍藻類、家畜・家禽の糞便なども反応容器内に集められて発酵・消化され、それによって生じるメタンガスなどの有価物質が効率的に回収される。
メタンガスは発電に利用され、生産エリアに電力を供給する。熱は反応容器に戻り、発酵における温度の需要を満たす。三峡集団の会員企業、中持水務の張翼飛会長は「工場のエネルギー自給率は現在約60%で、これらのエネルギーはいずれも汚泥などの有機固形廃棄物の回収利用によって得られる」と述べた。
発酵後に残ったバイオガス残渣は、堆肥や撹拌、調整などの工程を経て、検査に合格した後に有機土壌となり、都市の緑化に役立つ。