2023年04月24日-04月28日
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国際月科学研究ステーション、28年建設へ

2023年04月27日

 中国安徽省合肥市で25日、「協力・ウィンウィン、深宇宙へと旅立つ」をテーマとする第1回深宇宙探査(天都)国際会議が開かれた。開幕式では、国家航天局とアジア太平洋宇宙協力機構が、国際月科学研究ステーションの協力共同声明に署名した。新華社が伝えた。

 声明では「双方が国際月科学研究ステーションの論証、プロジェクト実施、運営・応用で幅広く深い協力を行う。具体的協力分野には、科学目標の共同論証、宇宙機の共同設計・開発、科学機器の搭載、科学・技術試験、データ分析、教育・訓練などが含まれる」とした。

 今回の国際会議では、中国の月探査総設計師で、深宇宙探査実験室主任の呉偉仁院士(アカデミー会員)が、国際月科学研究ステーションの建設に関する基調報告を行い、同ステーションの建設案を解説し、世界各国に協力を呼びかけた。

 国際月科学研究ステーションは「全体的計画、段階的実施、建設しつつ使用」の原則に基づき3段階で実施される。2028年までに基本形を完成させ、月の環境探査と資源利用実証実験を行う。40年までに完全形となり、太陽・地球・月の宇宙環境探査や科学試験を実施するとともに「鵲橋通信・測位・リモートセンシング総合衛星ネットワーク」を完成させ、有人月・火星・金星着陸などの深宇宙探査に貢献する。その後は応用型月科学研究ステーションを建設し、科学研究型試験ステーションから徐々に実用型、多機能の月面基地へと高度化させる。

 呉院士は「国際月科学研究ステーションの基本形建設段階では、重要任務として、『嫦娥6号』が24年ごろに打ち上げられ、月の裏側のサンプルリターンを実施する。『嫦娥7号』は26年ごろに打ち上げられ、月南極の環境・資源の詳細な調査を実施する。『嫦娥8号』は28年ごろに打ち上げられ、月資源利用の実証実験を実施し、月科学研究ステーションの基本形を構築する」と述べた。

 国際月科学研究ステーションは中国が複数の国と共同建設するもので、月面や月軌道で長期的に独立運営され、短期的には人が参加し、拡張・維持可能な総合科学実験施設となる。

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