2023年05月22日-05月26日
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中国、南シナ海の沈没船遺跡に水中測量基準点を設置

2023年05月22日

 中国国家文物局や海南省人民政府などは21日、同省三亜市で中国の深海考古学の進展について発表した。新華社が伝えた。

 中国は2022年10月に有人潜水艇「深海勇士号」を利用し、南シナ海北西斜面の水深約1500メートルの海域2カ所で沈没船を発見した。うち1隻の遺物は磁器が中心で、文化財の数が10万点を超えると推測された。引き揚げられた文化財は明代正徳年間(1506~1521年)のものと推定され、船は南シナ海北西斜面1号沈没船と名付けられた。もう1隻は大量の原木が積まれ、海外から中国に貨物を運んだ沈没船と推定された。明代弘治年間(1488~1505年)のものと見られ、南シナ海北西斜面2号沈没船と名付けられた。20日には沈没船遺跡の中心堆積エリア南西隅に水中永久測量基準点が設置され、調査と映像の記録が行われた。

 深海考古学は世界の水中考古学研究における最前線で、中国の水中考古学の発展方向にもなっている。中国はここ数年、深海潜水技術を始めとする深海テクノロジーの発展で重要な進展を遂げており、深海考古学が急速に進展している。今回設置された水中永久測量基準点は、深海潜水船が海底表面に設置。研究者は設置完了後に長基線測位システムにより永久基準点の位置標定を行い、古代沈没船の正確な考古学調査を行うための基礎を固める。

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